親友の彼氏を奪って…
猫の集会
親友の彼氏
わたくし
「ねー、聞いてよー…」
ってな感じで、よくお互いに仕事の上司の愚痴なんかを言い合い楽しく女子会をするのが、唯一の癒しだった。
なのに…
今日の女子会は、少し様子が違った。
由那は、申し訳なさそうに言ったのだ。
「実はわたし…彼氏ができたの」
ってさ。
「えーっ‼︎おめでとー‼︎」
って祝福したよ?
「ありがとう」
「ね、写真ないの?みせてよー」
由那が少し恥ずかしそうに写真をみせてくれた。
…
へー
なかなかのイケメンじゃん。
てか、この人…
どっかでみたことある…ような?
「名前は?」
「
「ふーん」
「お飲み物お待たせしましたー」
って店員さんがきたので、そのまま話は別の話になったよね。
それから一時間以上女子会は続いたの。
で…由那が明日デートだっていうからさ、おひらきにしたの。
いつも通り、じゃまた来週〜って手を振ると、由那が…もしかしたら、月一くらいしか遊べなくなるかもって、また申し訳なさそうに言ったんだよね。
彼氏優先ってやつね。
「あー、うん。彼氏もちだもんね!オッケー。じゃ、遊べる時また連絡ちょうだいねー」
「うん」
こんな感じで、女子会お開きとなりました。
由那ってば、そんな申し訳なさそうな顔しなくていいのにさ。
…
あーあ、なんか面白いことないかなぁ。
コンビニに寄って、今から一人飲み会でもしよっと。
家の近くのコンビニで、お酒二本とおつまみを買った。
おつまみと言っても、スイーツばっかりだけどね。
甘いものがあたしの癒しなので。
真っ暗な夜道の中、癒しをぶら下げて歩いていた。
カツカツカツカツと、履いているヒールの音が鳴り響く。
で…
少し後ろから、鈍い足音が…
チラッと後ろをみると、携帯をみながら男性が歩いていた。
ホッ
不審者では、ないみたい。
あー、よかったぁって安心したら、癒しのスイーツたちをコンクリートにぶちまけてしまった。
あっ、あたしの癒しちゃんたち!
慌てて拾っていると、サッと後ろからさっきの男性が、あたしの癒しちゃんを拾い上げてくれた。
「あっ、すみませ……んっ⁉︎」
「えっ?なんでしょうか…」
思わずその男性を凝視してしまったわ。
だって…
この人って…
…
「あれぇ〜、偶然ですねぇ〜♡お隣さんですよねぇ?」
「あっ、そ、そう…か。暗くてよくわからなかったです」
そりゃそうだ。
だって、まだ一回しか遭遇しておりませんからね!
しかもその一回が、向こうが引っ越しの挨拶にきたとき。
あたし、ノーメイクでしたからっ‼︎
「よかったぁ〜♡一人で心細かったんですぅ〜。お部屋まで一緒に帰ってもいいですかぁ?」
「あ、うん。全然いいですよ」
ふふ、なんてチョロい男♡
本当は、一人でも全然余裕なんだけどね!
昔から合気道習ってたし。
ただ、靴脱いで戦ったらストッキング破れちゃうもんで、それが嫌で不審者に一瞬ビビっただけなんだよね。
ところで、あたしってとあること閃いちゃったんだよねん♡
「あのぅ、よかったら今からわたしの部屋でのみません?あっ、明日ご予定があれば全然おひきとめいたしませんので」
…
「あー、まぁいっか。うん、全然いいよ」
チョロっ‼︎
早速、お隣さんゲット♡
お隣さんを部屋にあげるなり、乾杯をした。
「どんどん、のんでくださいねぇ♡いま、おつまみつくりまぁす♡」
嬉しそうにのみくいするお隣さん。
「あ、そうだぁ♡お名前聞いてもいいですかぁ?」
「名前は、涼介。オレも名前知りたいなあ」
「えー、りょうちゃんかぁ♡いいお名前ですねぇ。わたしの名前は、里香です♡」
「里香ちゃんね、よろしく!」
「はぁい、よろしくお願いしま〜す♡」
それから、あっという間にベロベロにして、おひらきにいたしました。
お隣さんだから、すぐ部屋に帰ってもらえるから、助かるわー。
つーか、お隣さん酒めっちゃ弱いな。
明日、由那デートって言ってたんだよねー。
でも、彼氏明日はデートキャンセルだろうなぁ。
かわいそ
続く。
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