「モキュメンタリー(擬似ドキュメンタリー)」の手法を用いたホラー作品である。メーカーのリコール通知、商品紹介動画、掲示板のスレッド、知恵袋の質疑応答といった既存のネット文化の形式を借りて、日常的な家電が「異物」へと変貌していく恐怖を多角的に描いている。
特に、「電源を抜いても音が鳴り止まない」 、「水が真っ赤になり、量が増える」 、「腐った臭いがする」 といった生理的な嫌悪感を催す描写が秀逸だ。メーカー側が個別の回収理由を秘匿し、回収方法として「担当者が直接自宅へ伺う」「清掃や乾燥を行わない」 と指示している点など、読者の想像力に恐怖の根源を委ねる構成が非常に優れている。
ネット怪談(洒落怖系)やFOUND FOOTAGE形式のホラー、考察を楽しみたい読者におすすめできる。