第3話 バスケットボール×2
「なぁ、天空ってあれブラつけてないよな?」
「多分つけてないな」
「揺れるよな?」
「あぁ、揺れるな」
男子が俺の方を見てニヤついている。やはり美少女で巨乳の俺に魅力を感じてるようだ。キモイけど見る目はあるぞお前ら。
微笑みながら軽く手を振ってみた
自分からは見えないので分からんが破壊力がやばいのだろう、ほとんどの男子が興奮してる。意外とおもろいなこれ。
【天空は新しいおもちゃを手に入れた!】
「気をつけ、礼。お願いします」
「「お願いします!」」
「佐々木、今日の欠席は?」
「ゼロっす!」
「そうか、ありがとな。ところでそこの君は?」
「えと、湯宮天空です…」
「え?」
~割愛~
「じゃあラジオ体操しっかりやれよ」
授業始めのラジオ体操、体育委員1人と保体係2人の計3人でやるのだがぶっちゃけやりたくない。人前でラジオ体操とか男の時もやだったし。保体係に入ったのもジャンケンで負けたからなんだよな。
「「1,2,3,4」」
「「5,6,7,8」」
中学の頃もラジオ体操をやらないといけなかったから今は5年目。夏休みにスタンプを貰いに行く小学生とはキレが違う。
(次ジャンプか…これだけは慣れない…)
ラジオ体操をするとき俺は皆の前に出てやらないといけないのだが体育の時の並び方が
男男男男男男男男男男男
女女女女女女女女女女女
係 委員 俺
つまり言いたいことは分かるだろ?
ジャンプすると揺れるんだよ!流石にガン見する訳にもいかないので斜め下を向いてやり過ごしている。だが今日は違う、俺も女子なのだ。見ても別に問題はない!
そんな甘い考えはすぐに消えた
「きっつ………」
目の前の女子のメロンを見るなんて余裕は俺にはなく、ブラをつけていないせいで上下に揺れまくる自身のメロンの重さに驚いていた。
ヒソヒソ
「なぁ、エロくね?」
「めっちゃ揺れてんの…」
「やばい、俺タってきた」
「今日のおかず決まったわ」
何を話しているのかは聞こえないが俺も一応男だったから容易く想像できる。男共からの視線は気持ちのいい物ではないのでとりあえず睨んでおいた。
ヒソヒソ
「今俺達のこと睨んだよな?」
「やばい、俺のMの部分が…」
「ゾクゾクする♡」
【逆効果だった】
あいつら中身が男ってこと忘れてんのか?
ラジオ体操が終わり1対1でパス練習をする。
「ねぇ湯宮」
「なに?依夜田さん」
「柊和でいいよ」
「ほんと?じゃあ改めて、どうした柊和?」
「変えて欲しいところがあるの」
「変えて欲しいとこって?俺に対して?」
「そこだよ」
「どこ?」
「一人称と口調だよ!これからは一人称は『私』にしてね。それから口調は優しくね」
「優しくたって、俺」
「『私』」
「はい、口調を優しくしろって言っても私どうすればいいの?」
「どうせあんた包容力やばい年上お姉さんとか好きでしょ?」
「好きだけど?」
「それを見習え、天空は清楚系美人だから口調はなるべく優しくしね」
「見習えって…口調キツイのどっちですか、それに天空なんて、距離詰めすぎです!」
「私はいいの!それに友達でしょ?てか天空意外と楽しんでる?」
「友達にハニトラできるって考えたら面白くなっちゃいました!」
今日1番の最上級の笑顔をわざと男子に向けて見せると男子の方が騒がしくなった。単純なやつらと小馬鹿にしながら練習を再開する。
今日は5vs5をやるらしい。さっきの話で分かっているとは思うが俺は女子側で練習している。
ひとまず女子を3チームに別け俺はチームBになった。出来れば美夏と同じところが良かったが
しょうがない、敵となったからには本気で
勝ちにいく。
1戦目はAチームvsBチーム
Aチームは美夏ぐらいしか運動が得意な子はいないらしい。対してBチームは柊和と白希(しらき)さんこと詩穂さんの元運動部女子に加え、先日まで体育好きの男だった俺の3人が揃っている。
「おいお前ら、湯宮がプレイするぞ!」
「プレイ!?」
「そっちの意味じゃねぇよ」
「ともかく見応えしかねぇな」
「男共は元気だね〜」
「まぁ美夏しょうがないって、私も気持ちは分かるし」
「まぁいいや、天空!手加減はなしね!」
「手加減なんて最初からする気はないですよ」
「天空がお姉さんになってる!?」
「ふふっ」
熱い戦いが繰り広げられようとしている。
そういえば俺ゲームでしか美夏に勝ったことないな…
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