路上占い、あれこれ132【占い師は自分が育った街を懐かしむ】
崔 梨遙(再)
魚料理、2139文字です。お味はいかがですか?
もう30年とか40年くらい前のお話です。もう少し前かもしれません。僕が育った街は何かとディープでした。今は変わったと聞きます。ですが、僕は自分が育ったあの頃のあの街が大好きでした。
僕等の街には沢山のホームレスさんがいました。リアカーで大量の段ボールや空き缶を集めていました。歩道ではなく車道を行くので、車はリアカーを避けるために車線変更をしていました。
ホームレスさん達は、商店街のシャッターが閉まるとズラーーーーッと並んで寝ます。寝る場所は商店街だけではありません。某路線の列車の線路沿いにもズラーッと寝ます。高くない塀を乗り越えたら線路です。
僕は1度、子供の頃にホームレスさんの頭を自転車で轢きました。背の高いホームレスさんで、他の人達より頭半分飛び出ていたのです。
『おい! 痛いやんけ!』
『すみません!』
『もう、ええから早く行け。眠いんや』
ホームレスさんは許してくれました。
僕が中学生の時、自転車で夜にその商店街を走っていたら、男性のホームレスさんと女性のホームレスさんが性行為をしていました。正〇位でした。僕は思わずスリップ、派手に転倒しました。ツッコミを入れるのはやめて帰りました。
また、それからしばらくして、また自転車で夜にその商店街を走っていたら、男性のホームレスさんと女性のホームレスさんが性行為をしていました。今度は後〇位でした。僕は思わずスリップ、派手に転倒しました。ツッコミを入れるのはやめて帰りました。
また更にしばらくして、また自転車で夜にその商店街を走っていたら、男性のホームレスさんと女性のホームレスさんが性行為をしていました。今度は女性〇位でした。僕は思わずスリップ、派手に転倒しました。やっぱりツッコミを入れるのはやめて帰りました。これで体位はコンプリートしたのでしょうか?
僕の育った街では、じゃりん〇〇エに出て来るテ〇みたいなおっちゃんが幾らでもいました。平日の昼間から酒を飲んでいました。たまに、お互いに血まみれで殴り合っているオッチャン達を見たり、血まみれでダウンしているオッチャンの横顔に座ってタバコを吸っているオッチャンなども見かけました。そういうのも、僕達にとっては日常の風景でした。なので、全く気になりません。
何故か? 30円のドリンク自販機がありました。
何故か? 靴を左右片方だけでも買える露天商のオッチャンがいました。
何故か? ヴ〇トン? の財布が3000円から5000円で、オッチャンとオバチャンによって売られていました。
不思議なことの多い街でした。
野球をやっていた時のお話は昨日? もう書きましたが。ああいうことが起こっても、それも日常、あんまり驚きません。そもそもなんでグランドでホームレスさんが寝ていたのか? 考え出したらキリが無いのです。
ホームレスさん達の中には、人目を気にせず排便をする人もいました。知人の初デートで、ホームレスさんの排便シーンを見た彼女さんがショックを受けたらしいです。ですが、凄かったのは車道の真ん中で排便するオッチャンです。いろいろな意味で勇気が必要でしたね。車は排便が終わるのを待って停止。ちょっと渋滞になっていました。そういうことも日常の1コマです。
オ〇マさんも多かったです。ニューハーフではないんです。単に男性がカツラを被って女性の服を着て厚化粧をしているだけです。
小学生の時、商店街の路地裏でだべっていたら、上から声が聞こえました。
『君達、こっちを見なさい!』
見上げると、アパートの2階のベランダ。カツラを被っただけの全裸の男性が男〇器を手でこすっていました。僕達は、流石に呆気にとられて金縛り状態。
『ああ、見られるって最高!』
僕達はまだ動けませんでした。
『あ、飛ばすわよ!』
そこで、金縛りが解けて全員でダッシュで逃げました。そんな街でした。
路上の弾き語り(ギターやベース)がめちゃくちゃ上手いオ〇マさん達がいました。何故、毎回女装するのか? それは謎でした。ポリシーなのでしょうか?
これは僕だけですが、皆様、ピンポンダッシュはご存知ですか? 見知らぬ家の玄関のピンポンを鳴らして逃げるのです。ですが、僕はピンポンダッシュはしませんでした。ピンポンを鳴らした後、逃げません。家の人が出て来ます。そこで、
『こんにちわ!』
『はあ、こんにちは』
『じゃあ、失礼します』
僕は逃げませんでした。僕がやっていたのはピンポンダッシュではなく、ただのピンポンです。これをやっていたのは僕だけでした。(←何の自慢?)
反社会的・・・・・・の事務所も多かったらしいです。そういえば、道路でキャッチボールしていたら事務所の窓を割ってしまいました。パンチパーマのお兄さんが出て来ましたが、素直に謝ったら許してくれました。
クラスに2、3人、反社・・・・・・のお父さんを持つ男の子や女の子がいましたし、在日の方の息子さん、娘さんもいましたし、生活保護家庭の男子や女子がいました。みんな、何も気にせずに一緒に遊んでいました。なので、僕等には差別意識はありません。そこは、あの街の良かったところだと思います。
続きを思い出したら、また書きますが、この物語、今宵はこれまでにしたりとうございます。
まあ、一言で申しますと、治安は悪かったですね(笑)
路上占い、あれこれ132【占い師は自分が育った街を懐かしむ】 崔 梨遙(再) @sairiyousai
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