登場人物紹介（吾妻連峰雪山遭難事故）

◆ 佐伯 瑞希（さえき みずき）／27歳・元デザイン会社勤務・主人公

・東京の広告デザイン会社に勤めていたが、過労とパワハラで退職。

・人生が“白紙”になったような空虚さを抱え、冬の吾妻連峰へ単独登山に向かう。

・幼い頃に祖母と登った小さな山が原風景。祖母を看取れなかった罪悪感が胸の奥に残る。

・SNSでは強がるタイプだが、内面は不安が強い。

・遭難をきっかけに、生きる理由を再発見する人物。

◆ 室井 大悟（むろい だいご）／42歳・山岳救助隊隊長

・地元消防に所属するベテラン救助隊員。

・冷静沈着で、判断力が高く隊員からの信頼も厚い。

・過去に一度だけ、あと一歩のところで救えなかった登山者の存在を今も引きずっている。

・瑞希救出をきっかけに、自分の“救いたかったもの”と向き合う。

・口数は少ないが、静かな優しさがあるタイプ。

◆ 古賀 里桜（こが りお）／27歳・瑞希の友人

・瑞希の大学時代からの親友。

・いつも瑞希の背中を押してきたが、今回は「無理しないで」と言えなかったことを悔いている。

・瑞希が遭難してからは、警察への通報、家族への連絡、病院での待機と、奔走する。

・物語後半で、瑞希に対して「あなたが戻ってきてくれて本当に良かった」と涙ながらに言う。

◆ 岡田 修（おかだ おさむ）／55歳・山岳ガイド

・瑞希が登山口で最初に出会う人物。

・“今日は天気が崩れますよ”と忠告したが、瑞希は笑ってすれ違う。

・遭難後、ニュースを見て胸を痛め、救助隊に情報協力。

・山に対して敬意を持つ“地元の山の人”という象徴的存在。

◆ 佐伯 香織（さえき かおり）／57歳・瑞希の母

・瑞希とは疎遠気味だったが、連絡を受けて病院へ駆けつける。

・娘の抱えていた本当の苦しみに気づけなかった後悔を抱える。

・瑞希の覚醒後、ぎこちないながらも親子関係を再構築していく。

◆ 佐伯 しの（故人）／瑞希の祖母

・瑞希が幼い頃に最も心を許していた人物。

・山と自然を愛し、瑞希にもよく小さな山へ連れて行った。

・瑞希の心の中で、ときに“幻聴”として語りかける存在。

・物語全体の精神的支柱となる。

◆ 報道関係者（複数）

・瑞希の遭難をセンセーショナルに扱い、“軽率な単独登山”として批判する言葉を投げかける。

・現代社会の“無責任なまなざし”の象徴。

◆ 地元住民・救助隊員（複数）

・個々の名前は控え、瑞希が戻ってくるまでの“共同体としての優しさ”を象徴する存在。

・室井を支え、厳しい山の現実を語る。