百合オタクに恋愛免疫はありません!
@nekoka_1
プロローグ
私は中村花子、百合オタクだ。
物心つく頃からそういうのが好きだった生粋のオタク。
でも、私自身恋愛なんてかすりもしない人生を送ってきた。
だから、そんなことが起これば私の頭がショートすることは当然で。
「深宮!花子の手離しなさいよ!」
「離すのはそっち、早くして」
私の左腕に深宮冷希が抱きついていて、右腕には花園香里奈が抱きついている。
「あの、お二人とも離すというのは…?」
「ない」と声を合わせて言われた。
この二人はいつも仲が悪いのに時々息が合う。
この二人はめちゃくちゃ可愛い。
学校の中でも誰もが狙っている美少女だ。
対して私は平々凡々、ごく普通、平均の平均、そういう言葉がすごく似合うなんにもない女子高生。
だから、この二人とできれば並びたくない。
だって、普通だったのにこの二人の並んだらそれ以下に見えてしまうから。
「もう離して!」
私は二人をどうにか振りほどき、教室を出た。
前を見ずに走っていくと、ドンッと誰かとぶつかる。
「いった〜!」
「あ、ごめんな…さ…い…」
ぶつかった相手も悪い。
立川郁流、この子も学校で人気の子。
そして……。
「あ!花子じゃん!ラッキー!」
そう言って私に抱きついてくる。
この子もベタベタしてくる一人。
私はどうにか抜け出して、走って逃げる。
「はぁはぁ……」
学校裏のベンチに座って一休みする。
スマホを取り出し、百合ゲーム【リリー✕リリー】を起動する。
やっぱり二次元だよね。
私の推しカプ、エスちゃんとエヌちゃん!
二人、めっちゃ可愛い〜!
はぁ、ずっとこうしていたい。
なぜあんなことになったのか、それは少し前に遡る。
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