男子のみを世に残す掟、女児を許さぬ王家——その冷酷な理の中で、双子の弟として生まれた「青白い光」の王子が、予言ゆえに本来死すべき存在として密かに生かされる。この出発点だけで、すでに王道ファンタジーの皮を被った重厚な悲劇性が伝わってくる。
王子であることを知らずアルシェ家の子として育てられたリアンと、人と精霊の間に生まれたティアラとの出会いが、単なるロマンスではなく王国の理そのものを揺るがす導火線になっていく構図が巧みだ。あるレビュアーが評するように、不条理な掟の中にも静けさを失わない筆致が、不安よりもむしろ先を読みたくなる引力を生んでいる。呪いと祝福が紙一重という設定の凝り方も読者の心をつかんでいるようだ。
連載中・全75話・19万字超とすでに大きく育った長編で、53人のフォロワーを抱える人気作。禁忌を背負う王子の運命がどこへ向かうのか、目が離せないダークファンタジーロマンスだ。