女装して身代わり嫁入り、なんていう
ドタバタコメディでニヤニヤしながら読んでたら、気づけば、泥臭くも美しい
「人生の再起」を描く物語に化けていました。
か細い王子が、13回の門前払いに耐え。
献身的な女官が、自らも詩を学び成長する。
その過程が丁寧で、熱い。
「天狗山」でのトレーニング描写は秀逸。
少女を背負い、一歩ずつ坂を登るその歩みは
二人の絆が深まる音まで聞こえてきそうです。
単なる身代わりモノと侮るなかれ。
これは、運命に翻弄された二人が
自分の名前を捨て、自分の足で立ち上がるまでの
清々しいほどに真っ直ぐな成長譚です。
何かに挑戦し、折れそうな心を持っている人。
そして、誰かを支えたいと願うすべての人に。
彼らの「13回目の志願」をぜひ見届けてください。