World memory 〜紡がれる思い出〜
鷹木三郎
第0話 結合
「ここは.....どこだ?」
今僕が居る場所...空間?はここを認識しように認識できない、まるでなにかに阻害されている感覚だ。ここよりも僕にとって最も気になるのは『世界』がどうなったかだ、とにかくここから抜け出して世界の様子を見に行かなければならない
「そんなに急いで何処へ向かわれるのですか?」
と響いた声は何かに疲れたような男性の声だった。
「ここはどこですか?何か知っているのなら僕に教えてください」
一応問いかけてみる、もしかしたらあの声の主が返してくれるという薄い期待で
「ええ良いでしょう、まずここは『世界の
「僕が今居るここは『世界の狭間』で、そして僕はもう死んでいるってことですか?」
「いえ、貴方はまだ死んでおりませんよ?」
「えっと、つまり僕はまだ死んでいないのに『魂』だけがこの『世界の狭間』という認識が阻害されている空間でどこから喋りかけられているかも分からない声と会話している....ってことですか?」
「ええ、そうですね、あと認識阻害を受けていることに気づいているのですね」
「...........」
「...........」
黙り込まれると気まずいな....いっそのことどうなったかを聞いてみるか
「その、僕達が行った『世界の結合』はどうなりましたか?」
「貴方達が行った『世界の結合』は成功しましたよ、しかしなぜあのようなことを?あの『
「それは....」
「答えられないのですか?確かにあの『均衡』の爺さんが『最終的にどちらの世界も破滅の運命を辿る』とは言っていましたが、その救い方で分離される前の世界『始まりの世界』へと回帰させる為に『結合』させるとは私ですら思いませんでしたよ
はぁ.....おかげで仕事が増えました」
「すみません.....でも両方の世界が最終的に破滅の運命を辿るのなら、そんな運命に辿らずに済む方法がこれしか無かった」
だがこの方法は苦肉の策でなんとか結合させた、しかも結合させる世界『
「ええ、貴方が危惧している『魔物』の被害、破滅結晶の侵食そのどちらにも遭うでしょう、ですので貴方が両方の世界の破滅の運命を逸らした、そのご褒美として私がなんとかしてみます。
結合した世界で『
当然かのように僕の思考は読まれているか....『能力』を与える?慣れるまで調整をする...?
「待ってくれ、君達は世界を見捨てたんじゃなかったのか?なぜ今更世界の為にそこまでしてくれる」
「おっと、どうやら私の正体に勘づいていましたか。
ええ、そうですよ私達は確かに見捨てましたよ、なぜ今更でしたっけ?それは興味を持ったからですよ、ここまで積極的に世界に関わろうとするのはあまり良くないことですがね、でも結合した世界というのが分離前の世界『始まりの世界』と同じ存在だとすると私達にはその世界のために元管理者として手助けをしますよ
まぁ....私は常に両方の世界のために仕事をしていますがね.....」
「そうか、でも僕は君の■■■として、何の名を持っているかわからない」
「そうでしたね、まだ自己紹介していませんでした
私、『■』の名を持つ『■■■■』と申します」
と名乗った途端その声は背後から聞こえてくる、後ろを振り向くとそこには白い机と白い椅子に腰掛けるやや草臥れてそうな男性が居たがその輪郭はややぼやけて見える
「■■■の『■』の姿形は意外と僕達と大して変わらないんですね」
「ええ、そうですよ大体の■■■はこのような形を取ってるものが多いですよ?
......そろそろ時間ですね、あなたに特別な『
「今『
「あなたが『
「それはありがたいですね、じゃあ調整のほう頼みますよ?」
「ええ、任せてくださいよ」
すると■■■の『■■■■』はこちらへ手をかざしながら言った
「どうやら、あの消滅した『■』の眷属種との間に貴方の子が育まれてますね、おめでとうそしてさようなら」
「あぁ、さようなら」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます