ラ・ジョローナ、パスクアリータ、エル・チャロ・ネグロ、死者の口笛タイトルを眺めるだけで、日本の怪談とは明らかに異なる空気が漂ってきます。
全17話・1話完結形式で、メキシコ在住の著者が自国の恐怖伝説を日本語で届けるという試みが新鮮です。単純に怖いだけでなく、背後にある文化や土地の記憶が色濃く滲んでいて、読みながら「なぜこの地でこの怪談が生まれたのか」を自然と考えさせられます。
「少し違った冬の日記」で温かさを届けてくれたロケットゴーストさんが、今度は異文化の闇を手渡してくれるその振り幅もまた魅力です。