いつからか湧き出した得体の知れないヌルついた液体、人呼んで“ヌル”。ヌルに触れた人間は必ず、呼ばれたように橋に向かい、そこから転落死を遂げる。その正体とカラクリは、言葉の持つ響きの不穏さ不気味さを凌駕する。戦慄のバイオホラー。
まず「ヌル」。この言葉に気持ち良いという響きが含まれるだろうか?ヌルヌル・スベスベなどというエステ?用語になれば、多少通り過ぎる部分があるが、ヌル単体だと生理的な気持ち悪さが先に立つ。ITで言うnull、何も無い状態を示す言葉。こちらも気持ち悪い。つまりは、気持ちが「悪い」状態と、空虚であるという状態がほぼ同種族にあるということ。事は起きるが、何故?という疑問には空虚な回答しかないので、主役当事者は非常に「気持ち悪い」。そんな閉塞感を描く物語。
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