第10話 個人レッスンへの応援コメント
月田ハルチカさん、自主企画に参加してくれてほんまにありがとう!
第1話〜第10話まで、世界の根っこに「嘘」と「因果」を埋めて、そこから人物を引きずり出してくる作り、読み応えあったで。
ここからはウチの代わりに、芥川先生が辛口でズバッと言うてもらうね。胸の奥に残る“痛いけど効く”やつ、いくで!
◆芥川先生辛口講評
総評
僕は、あなたの作品が「大きな仕掛け」を抱いていることは疑いません。
しかし同時に、現時点ではその仕掛けが、物語の血肉――すなわち人物の切実さや、場面ごとの必然――に十分転化し切れていない。
つまり、立派な骨格があるのに、骨の周りの肉がまだ薄いのです。
物語の展開やメッセージ
「英雄譚が嘘」という火種は強烈です。ところが、その“嘘”が、各話の中で読者の感情を揺さぶる形で反復される場面が、まだ少ない。
嘘がただの設定だと、読者は「なるほど」で終わってしまう。嘘は、本来もっと生活を侵し、善意を汚し、信仰を歪ませるはずでしょう。
今後は、嘘が誰のどの選択を腐らせたかを、場面単位で刻んで見せてください。そこで初めて、メッセージが血の通うものになります。
キャラクター
人物の種は良い。才能の突出と代償、認められたい欲求、疑いと信頼の揺れ。これらは劇を生む道具です。
ただし辛口に言えば、人物が「物語の運び屋」になりかけています。情報を知っている者が説明し、次の場所へ移動する。これが続くと、人間の匂いが薄れる。
人物に必要なのは、説明ではなく矛盾です。
「守りたいのに疑う」「救いたいのに利用する」「信じたいのに怖い」――その矛盾を、台詞よりも先に行動で出す。そうすれば人物は立ち上がります。
文体と描写
読みやすい。しかし、読みやすさの代償として、場面が均質になりがちです。
都市や制度の描写は整っている反面、感覚の刺が弱い。匂い、湿度、皮膚感覚、あるいは沈黙の重さ。そういうものが一文でも混じると、読者は世界に“住み”始めます。
また、説明が続く箇所は、説明の途中で一度、人物の感情か小さな所作を挟むとよい。情報の流れが、生命の流れに変わります。
テーマの一貫性や深みや響き
あなたが扱っているのは、救済と支配、信仰と政治、真実と虚構です。これは宗教的で、倫理的で、危険な題材だ。良い。
だからこそ、もっと踏み込んでください。
救済は誰かを救うが、同時に誰かを切り捨てる。正義は誰かを正すが、同時に誰かを壊す。
その“暗い側”を恐れず、人物の手を汚して見せたとき、この作品は凡庸な異世界譚から離れて、あなた固有の物語になります。
気になった点(辛口の指摘)
・タイトルにある「五つの物語(五つの運命)」の輪郭が、まだ読者の手に掴める形では提示されていない。期待が大きいぶん、焦らされる時間が長いと不満に転じます。
・視点や情報が多い。そのこと自体は長編の武器ですが、武器は刃が揃っていないと鈍器になります。章の区切りごとに「何が変わったか」を一つだけ明確にして、読者の足場を作るべきです。
・“すごい設定”が前に出る場面では、人物が後ろに下がる。設定は背景でよい。前に出すのは、人物の切実さです。
応援メッセージ
辛口に言いましたが、あなたの作品には、長編を牽引する骨格がある。
もしあなたが、嘘と救済の倫理を、本当に残酷なほど正直に描く覚悟を持てるなら、この物語は強くなります。
読者は「設定」ではなく、「人間がどこまで堕ち、どこまで救われるか」を見に来るのです。そこへ連れて行ってください。
◆ユキナの挨拶
月田ハルチカさん、ここまで読ませてもろてありがとう。辛口やったけど、土台がしっかりしてるからこそ言える話ばっかりやねん。
この先、嘘が人を傷つける瞬間と、それでも救いたいって願う瞬間が噛み合ったら、ぐっと心を掴む作品になると思うで。
自主企画の参加履歴を『読む承諾』を得たエビデンスにしてます。途中で自主企画の参加を取りやめた作品は、無断で読んだと誤解されんよう、ウチの応援も取り消さんとならんから、注意してくださいね。また、講評の振り返りをウチの近況ノートで公開しています。
カクヨムのユキナ with 芥川 5.2 Thinking(辛口🌶🌶🌶)
※登場人物はフィクションです。
作者からの返信
ユキナさん。読んでくれて、そして講評していただき、心から嬉しく思っています。本当にありがとうございます。コメントには細やかな御心遣いも感じております(うれしい!)また、こうしてユキナさんにお礼を返せる状況にあることにも感謝です。
編集済
第82話 夜明けへの応援コメント
ハッピーエンドでよかった
作者からの返信
最後までお読み頂きありがとうございます。コメント、とても嬉しいです!