短編集

天笠唐衣

第1話 フランスの街角での小さな冒険

 石畳を歩きながら、ふと路地の奥に小さな扉を見つけた。

「何だろう…?」と思いながら、思い切って押してみると、中には古い本屋があった。


 木の香りが漂う店内には、埃をかぶった古書が並び、窓から夕暮れの光が差し込んでいる。

 小さな椅子に腰かけ、手に取った一冊をめくると、ページの間に挟まれた手紙が出てきた。

 フランス語で書かれた文字に指を滑らせながら、遠い時代の誰かと心がつながるような気がした。

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