史上最強の大魔王が転生して学院の先生になり生徒を導く

@junjun958958

プロローグ〜大魔王転生〜

今より八千年前、神話の時代

幾多数多の宇宙と世界を滅ぼし神と人間を殺し様々な種族から恐れられた男がいた。


 名をゼクア.ヴァルファレッドという。


「....というわけで貴様らはまた我らの領地を荒らし我の城に攻めてきたわけだが」


「まだ戦争を続けたいのか?懲りない奴だ」


アルディア世界に存在する≪大魔王城クヴァリガト≫の玉座に座り、両腕を組み大魔王ゼクアは言葉を発した。


 それだけで殆どの者たちは恐怖を感じ失神するであろう。だが大魔王の眼の前にいるのは大魔王ゼクアと長年争ってきた最強の二人だ。


 この2人の名は


人間を束ねる長、大勇者ユニア.クラフェイノ


神を束ねる長、厄災神エルシュカ


 エルシュカとユニアは種族の壁を乗り越え手を組み大魔王ゼクアを討ち取りに来たのだ。


大勇者ユニアが大魔王ゼクアに対して物申した。


「俺たち人間と神族はお前たち魔族に家族を殺され仲間を殺された。ここで長年の戦いに蹴りをつけよう」


 その発言に対してゼクアは玉座から立ち上がり赤黒い魔眼を開き答えるがとてつもないプレッシャーを感じる。


「俺もこの戦いには飽き飽きしていたところだ。終わりにしよう!」


 大勇者ユニアと厄災神エルシュカが魔力を込めて大魔王ゼクアに対して魔法を撃ち放とうする。魔法を放つよりも早く大魔王ゼクアが魔眼の魔力を解放して言霊を言い放った。


「動くな。静寂になれ」と


言霊が発せられた瞬間2人の動きが封じられた。 


 2人が戦ってきた大魔王とは桁外れの魔力で一歩も動けない。一方的に動きを止められている。


「身体が動かん...おのれ!大魔王ゼクア!!」


「動けませんわ...」


と2人が声を漏らす。


 大魔王ゼクアが2人にゆっくりと近づいてくる。


2人は殺される覚悟をしていたのだろう。


 一歩一歩近づいてくる度大魔王ゼクアの魔力がどんどん増していく。


 死を覚悟した。この幾千の戦いを乗り越えてきた2人を持ってしても死とは恐ろしいものだ。


エルシュカは大魔王ゼクアの赤黒くて全てを押し潰すような凄まじい魔力目の当たりにししかも言霊で体の自由が一切効かない。


 その2つの出来事が猛者であるエルシュカをも恐怖で涙を流し膝から崩れ落ちさせる。


脚には力が入らない。だだその場で殺されるかもしれないという恐怖が纏わりつく。


 ユニアは必死にに魔力を解放し続けて言霊に抗い必死に抵抗する。


だが1ミリたりも動けない。


そして一歩一歩ゼクアが近づいてくる。


ゼクアが2人の眼の前まで来て足を止め2人に言ったのだ。


「俺だってな。お前たちに殺された仲間の数は数えきれん。だがここで戦いを辞めなければ永遠に続くであろう....」


「そこでだ。お前たち人間と神族と和睦を組みたいのだ...」


 その発言はまさかのものだった。


幾多数多の宇宙と世界を滅ぼした男が言う言葉とは到底思えないものだった。


「本気で言っているのか?大魔王ゼクア!?」


「あぁ。本気だ。こんなこと嘘で言うわけなかろう?」


「それもそうだな」


大勇者ユニアが厄災神エルシュカの方を見て言い放った。


「エルシュカの言霊を解除してやってくれ。とても可哀想だ」


エルシュカは言霊魔法によって怯えている。怯えたことにより冷静さを保てず大魔王ゼクアの言葉なんぞ一つも入ってきてないと見える。


それほど怖い思いをしていたのだろう。


「大勇者ユニア。お前は優しいな。自分のことよりエルシュカを優先するとは...」


次の瞬間、大魔王ゼクアは指をパターンと鳴らし言霊魔法を解除した。


解除されたことによりあまりにも絶望的に強大な魔力は感じなくなった。


ゼクアは魔力を放出したのを辞めたのだろう。


 「これほどの言霊を2人同時に解除するとは俺たちとの殺し合いの時、全く本気出して無かっただろう?」


その問いに対して答えた。


「そうだな。俺とて死人を増やすのは嫌だからな」 


 エルシュカは言霊を解除されホットしたからか緊張が解けそのまま倒れそうになる。


倒れそうになったエルシュカの身体を大勇者ユニアが支える。


「ありがとう。ユニア...」


ユニアが言霊により意識が混濁しゼクアの話が何一つ理解できてなかったエルシュカに対して言った。


「魔族とも和睦は出来た」と


「え?本当に?じゃあ。やっと終わりなのね。幾多数多に続いた争いも....」


大魔王ゼクアが2人の前で突如として魔剣を召喚して自身の肉体に差したのだ。


「まだ本題はここからだ」


「俺は幾多数多の宇宙や世界を滅ぼし過ぎた。皆からすればただの悪者だ。それに俺が和睦の為に自害したと噂が広がれば魔族のことも一般市民も多少は信用できるであろう」


「そして俺は八千年後に正体を隠した状態で転生する。転生が完了するまでの八千年間の平和をエルシュカお前に託す」


「ユニア。お前は転生を繰り返して人間たちを支えてほしい」


「おい!待て!ゼクア!!話を勝手に進めるな。確かにお前は滅ぼし過ぎたが俺たち3人はこうして本当の意味で和睦ができたのだ。わざわざ力の9割を失う転生なんかしなくても...」


「じゃ、最後に問おう。幾多数多の宇宙と世界を滅ぼしたのは何だ?」


「お前の魔力と力...」とユニアは答えた。


「それが答えだ。皆は俺の力を恐れ続けるだろう。例え世界が平和になろうと...だから俺は八千年後に正体を隠し転生をし影から支える」


ユニアが悲しそうな表情で本音をこぼす。


「そんなのお前の配下が悲しみ許すわけなかろう?」


 「それに関しては全ての配下に説明済みだ。最初からこうなる予定だったしな」


「さらに俺の右腕である、不死王ガドラム.インドゥルムに伝えてある。奴は既に大魔王ゼクアは命を捨て和睦を実現させたと噂を流し終わった頃だろう」


 大魔王魔王ゼクアが争いが集結したことほっとし少し表情が柔らかくなった。


「最後に2人言いたいことある。」


「俺が転生したら次は戦友ではなく友となりたい」


 その発言に対して了承し「そうだな。それも悪くないな。俺は八千年後には死んでるかもな」とゼクアに対して最後の言葉を見送る形で言った。


「では心置き無くこの世界から大魔王は消滅出来よう。じゃ八千年後にまた会おう」


と言い放ち自身に刺してた魔剣に全てを滅ぼす魔法を流し込み肉体を滅ぼし転生をした。


 そしてに大魔王ゼクアの姿は2人の目の前から消えていった。


大勇者ユニア.クラフェイノと厄災神エルシュカの2人は大魔王ゼクアとの約束を守るため魔族、人間、神族の3種族が平和に過ごせる世界を創っていったのであった。


《八千年後のアルディア世界≫


 なんの変哲もない一般の家にて目を覚ました大魔王ゼクア。生まれてから数日か経ったのだろう。眼の前には父親らしき男がいる。


見た目は如何にも強そうで優しそうな男だ。


 生まれてから数日が経ちこの俺の意識がハッキリして物事を考えられる程に知能が戻ってきた。


思ったより転生に時間がかかったようだ。


 そして俺は母親に抱かれているのか?温かい温もりを感じる。こんなに温かい感覚を味わうのは実に何年ぶりであろうか。この俺を抱える母と眼の前にいる父が何やら会話をしているようだ。


「この子のお名前何にしようかしら〜」


「そうだな。名前は....」


 名前の案を父が母に提示しようとした瞬間、この俺が口を開く。


「俺の名はゼクア.ヴァルファレッドだ」


「きゃあァ!!赤ちゃんが!!話したわよ!!シェイアス!!」


と父シェイアスに対して赤ちゃん喋ったと腰を抜かしながらも伝えた。


するとシェイアスも


「んな!!馬鹿なそんな訳!!」

と言うがゼクアからシェイアスに対して話しかけた。


「俺は喋れるぞ?」


「本当に喋りやがったぁ!!なんだ今どきの赤ちゃんは発育がいいのか?」


「んな訳ないでしょ??」


と母メリアは父シェイアスに対して当たり前のことを言った。


その時ゼクアは心の中でこう思ったのだ。


「今の時代は転生してすぐ赤子の姿ですら会話が出来るのが当たり前じゃないのか?それ程にまで魔法の技術や質は低次元なのか?」と


 ふふふ。まぁ良い。それほど平和になったのだろう。


「ところで貴方がこの俺の父親と母親か?名をなんと言う?」


ゼクアが父と母に問い詰めた。


「そうだ!俺はお前の父親だ!シェイアスだ」


「同じく母親のメリアよ。てか貴方産まれて早々喋ったり大人になったり何なんのよ。何者?」


と自分が母親である事を説明しながらゼクアに問い詰めた。


「誰にも言うなよ。俺の名は大魔王ゼクア.ヴァルファレッド」


ゼクアの回答に母メリアは次のような反応を示した。


「ええええ?だだだ大魔王??和睦の為に死んだんじゃ??歴史にそう記されたはずじゃ...」


「何を言っている?俺は肉体を滅ぼし一時的に死んでいたに過ぎない。魂は死んでない。8000年間かけて転生魔法を発動させたのだ」


父シェイアスと母メリアは納得したかのように頷きゼクアに問うた。


「お前は俺の子ってことでいいのか?大英雄大魔王ゼクア」


「ふむ。それも悪くない。これからこんな時代遅れの大魔王という異名を持つだ子となるが、よろしくな。父さん、母さん」




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