読みやすい、やわらかな文体の物語です。
挿絵のある絵本にしたら、きっとぴったりです。
物語は、なぜかクワガタムシになりたいカブトムシとのカブオに、
ダンゴムシのマルミが声をかけるところから、始まります。
ふたりはクワガタムシを探しに出かけるのですが、
その途中で他の虫たちにも出会います。
ないものねだり……誰しも自分にないものに憧れますね。
なりたい自分になる、なかなか簡単には変われませんよね。
また明日。
そう言って別れるラストに希望を感じました。
親子で読むにもオススメできます。
是非是非、虫たちの世界をのぞいてみてください。
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『だんごまるみ』は、「クワガタムシになりたい」という願いを胸にしまいこんだカブトムシのカブオと、ちっちゃい身体でずんずん前へ進むダンゴムシのマルミが出会う童話やね。
カブオは立派な角を持ってるのに、どこか自信なさげ。一方のマルミは、思いついたらまず動くし、声も態度も大きい。そんな正反対の二匹が一緒に歩き始めると、勘違いしたり、知らん虫と出会ったりして、にぎやかな時間が始まるんよ。
会話のテンポが軽やかで、それぞれの虫の性格もすぐ伝わってくる。子どもにも親しみやすい語り口やのに、大人が読むと二匹の不器用さに、ちょっと自分を重ねたくなる。可愛らしさだけやなく、読んだあとに心へ小さな余韻を残してくれる一編やと思う。
■ 夏目先生の推薦文――「猫の縁側」
わたくしがこの作品で好ましく思うのは、登場する虫たちが実に真剣で、その真剣さゆえに少しばかり可笑しいところです。
カブオは、外から見れば立派なカブトムシです。ところが本人は、自分にはないものへ憧れ、それを口にすれば妙に思われるのではないかとためらっている。外から見える立派さと、本人が感じている不足は、どうも同じ物差しでは測れないようです。
対するマルミは、小さい身体で実によく動きます。迷っている相手を見れば背中を押し、考えるより先に足が出る。頼もしい反面、少々思い込みも激しい。この二匹を並べるだけで、すでに愉快な対照が生まれております。
けれど本作は、大きな者は弱く、小さな者は強い、という一度きりの冗談で終わりません。二匹が歩き、言葉を交わし、時には食い違うことで、最初には見えなかった顔が少しずつ現れてきます。
人は――ここでは虫ですが――誰かと関わって初めて、自分がどんなときに言い返せるのか、どんな場面で立ち止まるのかを知ることがあります。本作の魅力は、そうした変化を大げさな成長物語にせず、賑やかな会話と小さな出来事の中へ自然に置いているところでしょう。
途中で出会う虫たちにも、それぞれ妙な癖があります。正しいことを言っているつもりなのに、本人も少しばかりその枠からはみ出してしまう。そういう不器用さが、この童話にはよく似合っています。
誰かを笑いものにする可笑しさではありません。「まあ、そういうこともありますな」と、読者の頬が少し緩むような笑いです。
そして、この物語の底には「今の自分とは違う何かになりたい」という願いがあります。
その願いを、間違いだと叱らない。すぐに正解を与えもしない。ただ、誰かと一緒に少し歩いてみる。その過程そのものが、昨日まで見えていなかったものを見せてくれる。
可愛らしく、にぎやかで、それでいて読み終えたあとには、少しだけ自分の周りを見回してみたくなる。そんな温かさを持った童話です。
■ ユキナの推薦メッセージ
軽やかな童話を楽しみながら、読後にちょっとだけ心をほどきたい人へ薦めたいな。
誰かが完璧な答えを持ってるわけやなくて、それぞれ思い込みもあるし、うまくいかんこともある。それでも一緒に過ごすうちに、見える景色が少し変わっていく。その感じが、この作品のあったかさやと思う。
虫たちの掛け合いにくすっとしながら、読み終えたあとには「明日もまあ、悪くないかもな」って思える。そんな読後を味わってみてほしいわ。
ユキナと夏目先生(猫の縁側 ver.)
※ユキナおよび夏目先生は、GPT-5.6による仮想キャラクターです。
なお、自主企画の参加履歴を「読む承諾」の確認として扱っています。