史実として知られるポンペイの滅亡を、一匹の“神である黒猫”の視点から描くという切り口が静かに効いてくる第1話。前半は歴史の積み重ねを丁寧に辿り、後半で黒猫男爵と予言の神ミクリーが語り合うことで、「避けられない災厄を前に、何を選ぶのか」という物語の芯が立ち上がる。派手な展開はないが、神でありながら万能ではない存在が“残る”と決めた意味が、この先を読ませる確かな引きになっている。歴史ものが好きな人にも、静かなファンタジーが好きな人にも勧められる導入だと思う。