第2話 レイザー


ある街に…


かつて、こんな店があった。


スキンヘッド専門店 「レイザー」


今はもう、居抜きでパーマ屋が入っている。


  俺の店だった…


ロジックは間違ってはいなかった。ただ、マーケットリサーチを甘く見ていた。


需要を読み間違っていた。


こんなに、髪の毛がある奴ばかりなんだから、そこにスキンヘッドの需要もあるはずだと踏んだのが…


間違いだった。


債務整理…任意売却 俺は文字通り、ケツの毛まで毟られた…


その頃には…俺の頭には毛が無かったからな…


スキンヘッド(キラーン


そう、俺に残ったのは…このスキンヘッドだけだった。俺は、その時から


スキンヘッドの修行を始めたんだ。


今思えば それが転機さ




ジョッキ(ゴトン  ゲップ

ーーー 冒険者の酒場 ーーー


ここは酒が安い。でないと、社会不適合冒険者が路上で飲んてトラブルを起こすから…補助金が出てるんだよ。福祉だよ福祉。ぇ?そんなことしたら他の客が来るんじゃないかって?


バカ言うな。 ここにはよ、冒険者がいるんたぜ。



おおっと、横道に剃れ…反れちまったな。


こっからだ、


この、スキンヘッドの武勇伝が始まるのはよ。




聞きてぇだろ、いいぜ



ちょうど、興が乗ってきたところさ。



ーーーー スキンヘッドの修行 ーーーー


俺は、山にこもり、木の枝から なにかこう、 何かの木をぶら下げたりしていた。


なんかこう、修行っぽいだろ。


修行していない時は、日々の糧を得るために…このスキンヘッドを活かせる仕事、武器屋のレジをしていた。


冒険者はバカばかりだからな。毎回毎回、装備することの大切さを教えるようにってよ。


でないと、エモノをカバンに入れたまま拳でモンスターと戦って食われる冒険者が後を絶たないんだと。


まぁ、冒険者なんざに身を落とす奴らだから仕方ねぇな。冒険者で食えるのなんざ、この街でも一握りもいねぇんだしよ。





冒険者A「おら、そこのハゲ!」(ガツン


冒険者B「さっきからよ、冒険者の真ん中で冒険者ディスってんじゃねぇぞ!バカって言うヤツがバカだって教わらなかったんか?」



冒険者Aがスキンヘッドにつかみかかる



スキンヘッド「…」(シュバーーーー(目にも留まらない何か ババババッ


ブワッ


辺り一面に、何かが舞い上がる


これ、髪の毛?誰の?切られた髪?



冒険者B「プッ…ギャハハハハ!!!」

冒険者A「ぇ、どうした?」




スキンヘッド「…お前、似合ってるぜ…スキンヘッドがよ。」





最強のスキンヘッドが、そこにいた…






ーーーーーーーーーー魔王城ーーーーーーーーーー

?「異常な強さ…の、頭髪の無い人間…見つけた…」

?「ぁ、例のハゲめっかったんだー」

?「…」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




冒険者A(俺ちょっとカッコイいな)スキンヘッド  キラーン









つづく









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