お風呂も済ませ、そのまま三人で大きなベッドにダイブ。

ぜいたくな一日だった。


 はうを真ん中に挟むように、わたしと聖さんが横になっている。


「お腹いっぱいで幸せですね」


 そう言う夫に、うん、としみじみうなずく。


「はうもそうだろ?」


「むむむ……ねむい……」


 目のしょぼしょぼ具合が最終形態に入っているのを見とがめ、わたしは言う。

「はう、お休みの前に、そろそろ教えてくれないかな? サンタさんになにお願いしたの?」


 ところがはうはくるりと仰向けになって、


「もういい~」


 ほとんど息、いや寝息だけでそう言ってのけた。


「え?」


「もうプレゼントもらった! だからもう……いいんだ、よ~……」


 そのままスーッと上下する腹。寝入ってしまったみたいだ。


「???」


 わたしは聖さんとふたり、顔を見合わせて。


 意味もなく笑い声を漏らして、はうの寝顔を見続けていた。



 後日。

 机の奥からひみつの手紙とかいた広告の裏紙がでてきた。



 さんたさんえ くりすますの日、ぱぱとままといっしょに寝たいです。

 

                                はう


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