退屈と非退屈 〜果ての破壊〜
失踪し過ぎの者
0話 退屈
この世界は「退屈」だ。同じようなことを繰り返し、そのことに何の疑問もなく、その日常に喜びを見出す
退屈だ。予想外が無い
すべてが予想の範疇を出ず、一定の危機感しか持ち得ず生きている
刺激を求めて戦場に出た。出るまでの育成に約1年、出てから数ヶ月は刺激を感じていた。その後は退屈になった
ただ人を消す。
それが日常となり、退屈になった
戦場で逝く。それも予想内になってしまった
同僚は3人先立った。学ぶ場の事故で1人、戦場で2人。予想内でしかなかった
人は何人も逝った。日常に変わりなかった
国の支配者の欲によって起きる戦争
神の代弁者と言い国民を戦場に駆り出す
相手を神敵と言い、殺し合いに持っていく
そのことに誰も疑問も生まれない
盲目的に信じ、善悪を考えず殺し合う
愚かでしかない
退屈であった
すごく退屈であった
だから壊した
何でも出来た
上に偽の情報を流して、内部分裂を狙った
結果、祖国は疑心で満ちた
誰も何を信じればいいか分からなくなった
その後、革命が起きた
国の支配者に代わり、国民が政治の実権を持とうとした
結果として革命は成功した
ただ、国民は政治の何たるかを理解していなかった
見様見真似でしかなく、他国に攻め入られて祖国は終わった
計画を考え、実行しているときは退屈を感じなかった
ただ、先に期待していた
結果は退屈であった
祖国は終わり、いつかの神敵に支配されている
そのことに疑問はなかった
今は国民の反抗もあるが次第になくなっていく
今が「日常」だと受け入れるのだろう
退屈でしかない
私が思いつくものは私が考える範囲内でしかない
「私」ではダメだったんだ
いつだって、私が考えたものでは退屈でしかない
退屈を変えるのはいつだって混沌でしかない
私が戦場に身を置いた最初、退屈はなかった
知らないことが多かったからだ
つまり、考えるのは私以外であれば退屈を壊してくれる
そう思い、私は国を獲った
簡単なことだった
予告文を書いて送った。私に国を渡さなければ王をヤる。当然、その国は応じることはなかった
その国の王をヤった。
次の王。ヤった。
その次の王、ヤった。
これの繰り返し
相手が理解できるまで、恐怖で支配されるまで
そして、いわゆる暴君となった。反乱が狙いだった
反乱が起きた時、退屈を壊すのでは?と思っていた
殺意が壊してくれるのを願った
結果は恐怖で支配出来てしまった
最初は、革命が起きそうなことが何回もあった
だが、それらは壊すことはなく、収束した
私はこれを繰り返していけば反乱が大きくなっていきいつか壊すのでは?と思い反乱の芽は潰していった
その結果、国民に恐怖が深く植え付けられ、死にたくないから反抗しなくなってしまった
退屈を壊す殺意を、他国にも求めた
結果は同じ
恐怖で統治してしまったを数回殺しただけで、簡単に屈伏するなよ
その後、私は死んだ
殺意によるものではなかった
私は老いで死んだ
最後まで退屈だった
退屈のまま死んだ
死したあと、神を名乗るものとあった
自称神は生物としての格が違った
明確にそう感じれた
神曰く、私は転生するのだそう
理由は神の気まぐれ。神の行動に理由は必要ないとも言われた
次があるであれば神に関わりたい
殺し合う立場でも、何でもいいな
その時は退屈ではなさそうだ
次の更新予定
2025年12月21日 20:00 隔週 日曜日 20:00
退屈と非退屈 〜果ての破壊〜 失踪し過ぎの者 @kokokojin
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