パンツを見たら殺しますよ?

ねむり だいじろう

第1章 わたし、エステサロン作ります!!

第1話 プロローグ

草原―――



一人の少女が肩で息をしている。


少女の周りには無数の魔石が転がっていた。


しかし、それよりも遥かに多くのモンスターが少女を囲んでいる。




「ハァ、ハァ・・・いったいどれだけいてくるのよ。キリがない。」



前方にはゴブリンの群れ。中には奇形のものも数体。恐らく上位種じょういしゅだろう。


後方にはオークの群れが。こちらにも上位種とみられるものが数体。


さらには、やけに大きな個体がこちらの様子をうかがっている。



「こんなの、どうしろって言うのよ・・・」



ウキャキャッ!!


前方のゴブリンが3匹とびかかって来る!


1匹目をかわし、2匹目をナイフで切りつけた!


ゴブリンは弾け飛び魔石が転がる。



「うっ!」


3匹目の攻撃をくらった!


「キャビテーションボルト!!」


小さな雷撃らいげきが2匹を襲う。――2つの魔石が転がり落ちた。




「ハァ、ハァ・・・マイクロカレントヒール!」


傷が消え、体力が少し回復した。


「もう魔力が残り少ない・・・体力も・・・」




後方のオークたちが距離を詰めて来る。


グフォフォッ!!


「くっ、これまでか・・・」




そのとき、一陣いちじんの風が吹いた。




少女のスカートがめくれあがる。


「キャーッ!」


少女は慌ててスカートを押さえつけた。


少女の顔が見る見る真っ赤に染まっていく。



少女は涙目になりながら、こうたずねた。


「見ましたね?」


モンスターたちはニヤニヤしているように見えた。



少女は再び低い声で尋ねる。


「見ましたね。」



空気が変わった―――



モンスターたちは本能で何かを察知し、数歩あとずさった。



ゴゴゴゴゴ・・・


大地が揺れている。



少女の髪が揺れ、淡い光に包まれる。



「パンツを見たら殺しますよ?」



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る