泣きながら夜を過ごす人にも、喜びの歌と共に朝を迎えさせてくださる。
眠れない夜には、本を読むと落ち着けるのだと、心理士さんに言われたことがある。不安になったり落ち込んだりした夜には、よく聖書を読むことにしている。
私はクリスチャンだけれど、信仰を持つ前に聖書の言葉を知りたかったと思うこともある。聖書は数千年間にわたて残っている作品であり、たいていの悩みや苦しみについて書かれている。人間はたいてい同じようなことで悩んでいるのだと気づくとき、私が夜に抱えている重荷を、先人と分け合えた気持ちになる。
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主の慈しみに生きる人々よ
主に賛美の歌をうたい
聖なる御名を唱え、感謝をささげよ。
ひととき、お怒りになっても
命を得させることを御旨としてくださる。
泣きながら夜を過ごす人にも
喜びの歌と共に朝を迎えさせてくださる。
詩篇 30:5-6 新共同訳
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心配事や不安なこと、わからないことは神様に任せて眠れば良いのだと、私は解釈している。
クリスチャンのインスタグラマーが言うことには、聖書で最も多く使われていることばは「心配するな」といったものであるという。
キリスト教の分断、つまりカトリックとプロテスタントの対立を乗り越えることを目的とした修道院が、フランスにあるテゼという街にある。そこで使われている「テゼの祈り」では、「恐れるな、わずらうな、主はともにおられる。満たされる、あなたは、神によって」という歌がある。
いかに私達が心配性で、悩み苦しんでいる存在なのかということを、聖書を書いたひとたちはとっくに見抜いていたということだ。
喜びの歌とともに朝を迎えるために、私達は夜を乗り越える必要がある。人間ひとりの力では、とても乗り越えられないような試練も、怒りを通り越して悲しみに暮れるような理不尽なことも、この世界にはたくさんある。
それでも、生きてさえいれば、私達は朝日を見ることができるのだ。
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