作者のライフワークとも言える壮大な神話
『白花世界】の朔方より鳳勢国に襲来する
禍々しく獰猛で醜悪な龍。中でも最凶と
言われ恐れられている禍龍
大顎
その襲来に立ち向かうのは
三段殺という滅龍殺法を継承する武士団。
落降、打滅、頸断 この三段階を経て
禍龍を斃す。
嘗て、この武士団に英雄あり。
三段殺の中でも最も高度な技術を要する
頸断の担い手であった男、桑田道嗣。
だが彼は、最凶の龍 大顎 により無惨に
切り裂かれてしまう。
しかも、彼を目標として武士の道へと
入り始めた息子の鷹四郎と、龍贄として
磐座で息を呑む少女、千早の目の前で。
英雄、道嗣の最期の反撃により片目を失い
千早を贄と認識した凶龍 大顎 は怒りに
満ちて北へと飛び去るが…。
壮大なスケールで描かれる物語は、まさに
映画を観るよう。灰色の乾いた風の吹く
磐座と、三段殺の陣形をとる武士団。
そして悪夢の様な凶龍の強襲が迫り来る。
時代劇宛らの美しさと侘び寂びを背景に
道嗣の遺児、鷹四郎を中心とした人々の
想いが、静かに降る雨と交差する。
襟を糺して、世界に浸る。
この物語の俯瞰図は決して三次元とは
限らない。