神先原病院 取材記録
曇空 鈍縒
インタビュー記録1
インタビュアー:K
取材対象:白崎 美春(神先原病院 外科医)
K それではインタビューよろしくお願いします。
白崎 よろしくお願いします。
K 早速ですが、先生は神先原病院でどのような仕事をされていたんですか?
白崎 そうですね……。私は消化器外科医なので、主に消化器系の外科手術を担当していました。腫瘍の摘出や炎症部位の切除などを担当しています。
K そうですか。それでは、神崎原病院のいいところを教えていただけませんか?
白崎 いいところですか?
K ええ。なんでもいいので、教えていただけますか?
白崎 いいところか……。実際に勤務していると、いいところを出すのはなかなか難しいですよね。
K そうですね。私も、新聞社のいいところをパッと出すのは難しいかもしれないです。
白崎 ははは……。患者目線では分かりませんけれど、医者としては、医者に優しいところがこの病院のいいところだと思います。
K 医者に優しい?
白崎 ええ。医者が多いからか当直や夜勤も少ないですし、私は以前地方の大病院に勤務していたのですが、その時に比べるとだいぶ楽ですね。
K そうなんですね。それでは次の質問に移らせていただくのですが、病院での勤務にはどのような苦労がありますか?
白崎 苦労ですか?
K はい。夜中に急に呼び出されたりとか、お医者様は色々な苦労があると聞きます。せっかくなので少しまとめて記事にしようと考えていまして。
白崎 まあ、夜中に呼び出されたりとかはたまにありますけれど、それは、どこの病院でもあることだと思いますよ。大事故が起これば人手なんてすぐ足りなくなりますし、命に関わることなので、出勤時間を待ったり翌日に持ち越すわけにもいかないでしょう?
K おっしゃる通りですね。いつもご苦労様です。
白崎 ただ……今の病院では、そういったことがあまりないですね。
K 神先原病院ですか?
白崎 はい。
K こんなに大きくて設備も整っている病院なら、大勢の患者が一度に運び込まれることも多そうですけれどね。
白崎 そうなんですけどね……。あ。
K どうかしましたか?
白崎 そういえば、この近くに二つほど大きな病院があるんです。もしかしたら、大事故の対応なんかはそっちの方で事足りているのかもしれませんね。そもそもこの病院、外来患者も多くありませんから。
K へぇ。なぜです?
白崎 ……ここだけの話、看護師の数が少なくてサービスがあまり良くないんですよ。入院食も不味いらしいですし、その上、待ち時間もやたら長いんですよね。あ、これは記事にしないでくださいね。
K ははは。分かっていますよ。でも、その状態で経営は大丈夫なんですか?
白崎 ええ。詳しいことは知りませんが、大丈夫だと思いますよ。うちの病院の患者さんは、ほとんどが手術目的で来た長期の入院患者なので。うちの病院、外科医が多いんです。
K そうなんですね。そういえば、この病院では重篤患者が急に完治するといったことが多く発生しているようですね。
白崎 ええ。誇らしい限りです。
K 何か心当たりはありますか?
白崎 さぁ? 特にありませんよ。うちの病院の医師たちの腕がいいってだけの話だと思います。
K なかなか完治が難しい病気も、この病院では、かなりの頻度で完治していますね。最近も慢性腎不全の患者さんを完治させたとか。
白崎 ……ええ。まさに奇跡ですね。
(その後、インタビューは病院が新しく導入した治療機材に関するものへと移り、そのまま終了した。)
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