第2話 デート開始

 妹の言う通りになってしまった。


 少し日が出てきた頃、ベットに寝転がり俺は一人で後悔していた。


 クソッ!こんなに青葉さんとのデートを楽しみにしていたなんて。


 俺は女の子をリードする男になりたいのだ。青葉さんとのデートを楽しみにし過ぎて寝れてなかったなんて、こんなの男としてあるまじき事だ。


 ベットの横に置いてある目覚まし時計を見ると六時を指している。


 もうそろそろデートの準備をしないと。


 デートの集合時間は九時だ。駅前で集合っていうことになっているので余裕を持って準備を始める。


 とりあえず風呂に入るとするか。


 脱衣所に新しい下着を置いて、着ている服を脱ぐ。脱いだ服を洗濯機に入れ、風呂場に入る。


 寝ている間、知らないうちに汗はかいてるらしい。匂いを落とすためにシャワーを浴びないといけない。


 まぁ俺寝てないんだけどね。


 シャワーの温度を変えて冷たくする。


 コールドシャワーってなんか良いよね。なんか整ってる感じがするから俺結構好きなんだけど、


「冷たっ」


 この最初の冷たさは慣れないから、ちょっとコールドシャワーするの躊躇うんだよなぁ。


 体の汗を落とした俺は風呂場を出て、脱衣所でパンツ一丁に着替える。そしてダイニングに行き、朝ごはんを食べようとする。


 食パンにバターを塗って食べようとすると妹がダイニングに来た。


「おはよう妹よ」


「昨日絶対寝てないでしょ。後なんでパンツ一丁なの?」


 妹はまだ眠たいのか目を擦りながら聞いてくる。


「いや、昨日はぐっすり寝れたな。後パンツ一丁なのは男は何故かパンツ一丁になりたい生き物だからだ」


 妹が俺のパンを奪い取る。


「そんな男はお兄ちゃんだけだね。後、目の下に少しクマができてるよ。気付いてなかったの?もぐ、もぐ……このパン美味しいね」


「おいっ!俺のパンを勝手に食べるなよ!」


「いいでしょ。それよりそのクマ治してきなよ」


 妹の言葉に従い、洗面台向かう。


 鏡を見て見ると確かにクマが少し出来ていた。


 妹の言うがまま洗面台に来たがクマってどうやって治すんだろう。


 スマホで検索すると温めれば血流が良くなって治るらしいので、アイマスクをした。クマが治る間、時間が勿体無いのでパンを食べようとする。


「パンがないっ!さては妹、全部食べたな」


「そうだけど。パン一枚で今日のデートもつ思ってるの?もたないでしょ。だからお兄ちゃんのためにご飯用意したから。それ食べて今日、頑張ってね」


「妹ぉ……」


 妹が用意してくれたご飯を食べ、残りの準備をする。


 歯磨きをして髪をセットし、服を着替え、最後に香水を少し。


 よし!これで準備完了だ。


「いってきまーす」


「いってらっしゃーい」


 家族が返事したのを聞き、外に出た。


 集合場所は駅前だから十五分前には着くな。女の子は準備に時間がかかると言うし間違いなく青葉さんより早く着くな。


 徒歩で駅前に着くとちょうど集合の十五分前だった。


 さて、青葉さんはまだ来てないよな。これで来てたら男としての立場が無くなるからな。


 よし、青葉さんはまだ来てない。これはあのセリフが言えるかもな。


 集合時刻の三分後になると前から黒髪ロングの女子が歩いて来た。


 青葉さんだ。


「すみませんっ。遅れてしまいましたっ」


「いえいえ、全然待ってないですよ」


 言えたぁぁぁぁぁ!。このセリフだよ。男なら絶対言ってみたいランキングトップ十には入る(自分の主観)セリフを俺は言えた!


「それにしても青葉さんその服とても似合っていますね。俺好みの服装です」


 青葉さんの服装はシンプルなTシャツの上にガーディガン、ズボンはデニムで、とても可愛い。


 褒められた青葉さんは顔を赤くする。


 可愛いぃぃ!これ照れてるよな、俺に褒められてお前如きが私の服装を褒めるなよって怒ってるわけじゃないよな。


「ありがとうございますっ!葉月さんの服も良いですね。」


「ありがとうございます。それじゃあ行きましょうか」


「最初は水族館でしたか?」


 下から上目遣いで聞いてくる。


 可愛いで俺の頭はいっぱいだ。


「葉月さん?」


「すみません。ちょっと考え事してました」


 そう伝えると青葉さんはちょっと怒ったような顔をして


「考え事はダメですよ。今は私とのデートなんですから」


 そう伝えて来た。


 なんだこの可愛い生物は可愛い過ぎるだろ。


 また可愛いで頭の中がいっぱいになった俺は慌てて理性を取り戻し、青葉さんに返事をする。


「すみません。青葉さんの事を考えていたので」


 言った後に気づいた。これは完全にに攻め過ぎた。終わった絶対に引かれてるよな。


 と思ったが青葉さんは顔を赤くしながら「早く行きますよっ」と言いながら、俺の前を歩いて行った。


 良かった、セーフだ。だけどあれは自分でも流石にキモかった。気をつけよう。


「待ってください、青葉さん」


 俺は青葉さんを追いかけて、青葉さんの隣を歩くり


 そして、青葉さんと雑談しながら水族館に向かっていく。

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