○○くんへ
日彩幹
結婚
「結婚」
悔悛の風に揺られながら
一本の樹木はただ沈黙を貫いていた
砂塵舞う渺茫たる大地の中に
孤児となった黄土色の鳥が
諦念を抱いて佇んでいた
「お前の胸から流れ出る血は やがて無垢な少年を苦しみの底へと陥れるだろう」
何者かが 大地に嘲笑の声を投げた
その時 天が運命に逆らい
慈雨を捧げはじめた
樹木は歌いだし 砂漠は新たな生命を生み出すことを誓った
鳥は相変わらず孤独であったが 遥か彼方の海の方へと飛び立った
結婚とは そういうものではなかろうか
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。