大きな――いっそ、大きすぎるくらいの――大きな理想を抱いたとしたら。
あなたは、どうしますか?
物語の舞台は未来の日本。
主人公の少年:樹は、国が養成するスパイ見習いの一人。
彼は、誰一人欠けることなく笑い合える平和を望みながら、戦いの技術を仲間たちと一緒に学んでいます。
理想とは対極の世界に身を置いているのが、何とも悲しい皮肉です。
しかも、樹は彼の中の「とある力」のために、ますます激しい戦いに巻き込まれていくのです……!
……と。こんなあらすじ紹介をしてしまうと、重苦しい作品のように誤解をしてしまうかもしれませんね。
ご安心下さい! 本作は、ハラハラするバトルアクションあり、仲間たちとのワチャワチャありの、エンタメとしても楽しめる作品です!
そして、この「仲間」の存在。
本作ではとっても大きな力を持っていると私は思うのです。
詳しくはネタバレになってしまうので、これだけ言わせて下さい。
冒頭で「理想」と述べましたが。仮に、科学の力でも、魔法の力でもない、「理想を現実に引き寄せる力」という力があったとして。その力はたぶん、人一人では、到底扱える代物ではなかったのでしょう。
樹の理想は、仲間に、敵に、そして読者にも伝播していった。
だからこそ、あのエンディングを迎えられたのかもしれない。
本作のエンディングまで見届けた後に、私はそう思ったのです。