死神の扱う「死」の生業と人間社会に溶け込んだ親近感に魅せられます!
- ★★★ Excellent!!!
私たち人間は「生」を基とし、日々の生活を営むことに意味を見出しています。これは呼吸するのと同じように無意識的なことであり、それを意識することで各々に価値があるといえます。
しかし、本作ではその裏側である「死」に焦点を当てつつ物語が躍動し、死神社会の側面が垣間見える展開に最大の魅力を感じます。なぜなら「死」という不可避である未来を意識することはできても、それを本当の意味で体感することは未知であり不可能だからです。
死を司る陸斗という特別な存在。隣にいるだけで死という扱いが未知のものではないと気づかされ、とても不思議な感覚にさせてくれます。
特筆すべきは物語に引き込む死神のルールや約束事。人間社会に近い存在として描かれているので高い親近感をもって読み進められるのも魅力的ですね。読者の心をくすぐるのが本当に巧い作品だと強く感じますので、先が気になって仕方がありません。どうか手に取って読んで頂きたい今大注目の作品です。