路上占い、あれこれ105【占い師はドラマティック】

崔 梨遙(再)

まだ単発、1分で読める785文字です。

 若気の至り、そういうご経験はございませんか?



 僕が若い頃のドラマティックなお話です。まだネットが普及していなくて、テレクラというものが出逢いの主流だった頃です。


 僕は麗華という女性とのアポをゲットしました。お互いの服装を伝え合って、待ち合わせ場所へ。


 麗華を見た時、


『嘘!?』


と思いました。麗華が美人過ぎたのです。テレクラでこんなにレベルの高い女性と出会えることは滅多にありません。僕のテンションは爆上がり! 早めの夕食をちょっと雰囲気のいい居酒屋で済ませると、麗華の方から誘って来ました。


『今日、めっちゃHしたい気分やねん』


 僕は、美人局を疑いましたが、これだけの美人だったら美人局かもしれないと思いつつもついていくでしょう。


 麗華は自分の住んでるマンションに僕を招きました。ソファーでキスをして、脱がし合って、さあ、これから・・・という時に麗華の携帯電話に着信。


『もしもし、うん、うん、え? そうなん? わかった』

『何? 何の電話?』

『崔君、ごめん。彼氏が近くまで来てるわ。帰ってくれへん?』

『え!? 彼氏がいたの?』

『うん、今日は来ないはずだったのに、来るみたい』

『ほな、帰るわ』

『アカンよ玄関は、鉢合わせしたらどうするの? 私の彼氏、「怖い系」やで』

『ほな、どうしたらええの?』

『スグにベランダから逃げて!』

『嘘-!? マジ-!』

『さあ、早く、早く』


 僕はベランダに出されました。かろうじてボクサーパンツは履いていましたが、それ以外の服を片手に抱いて、ゆっくり、でも速やかに着地しました。


『こんなの、ドラマか漫画やん!? やっぱり僕は「持ってる」なぁ』


 通行人がパンツ1枚の僕を見ていました。とりあえず至急服を着て撤退。その時、僕は1つ学びました。『2階だったら逃げられる、3階だったら逃げられない』と。2階で良かった-! という若気の至りのお話でした。



 皆様、どうぞツッコミなど入れてください。




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路上占い、あれこれ105【占い師はドラマティック】 崔 梨遙(再) @sairiyousai

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