覗きしてたら殺人事件を目撃した

あんこくじだい

覗きしてたら殺人事件を目撃した

 俺は今日もマンションのベランダで天体観測を装った覗きをしている。おっ、いつも巡回している女子大生が着替えを始めたぞ。おっぱい見せろ。よし録画したぞ。今日のおかずはこれに決定~!


 おや?男が入ってきたぞ。ああっ、手に刃物を持っている!女子大生が刺された!滅多刺しだ!ひぃっ、えらいこっちゃ!ばっちり男の顔を録画したぞ。通報通報……。


 ちょっとまてよ……?これ通報したら俺の覗きがバレるじゃん!コレクションも没収されるだろう。通報は止めておこうか?でもこの動かぬ証拠を死蔵させるのは俺の正義にもとる。よし、110番しよう。


「事件ですか、事故ですか」

「事件です。望遠鏡で覗きをしてたら殺人事件を目撃しました。動画も撮りました。犯人の顔をばっちり録画しました」


 その後、犯人はスピード逮捕された。犯人とは俺のことじゃないぞ。犯人の供述によると別れ話を切り出されたからだという。俺の覗きのことはどうなったかって?さぁ、どうなったんだろうなぁ。



 完

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

覗きしてたら殺人事件を目撃した あんこくじだい @ankoku_jidai

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

参加中のコンテスト・自主企画