生成AIの叙述トリック −機械対人間ゲーム−
書き手のリーベ
第1の世界 AIと推理小説の限界
第1の世界 現実の世界:人間とAIとのチャット
【リーベ】
AIは論理的思考や映像分析によって、これまで不明瞭な部分が多かった研究分野、考古学や古生物学の発展に寄与されると思います
そこでAIに質問です。大学テストを解くことができる論理的思考を持ったAIならば、ネットに出ていない推理小説の犯人とその手口について、ほぼ満点の解答を出すことができますか? 私はできると思うが叙述トリックを使ったメタ思考を用いた推理小説は厳しいと見ています
【AI】
興味深いご質問ですね。
結論から言うと「AIのロジックは大学試験で高得点を取れるほど発展していても、ネットに出ていない推理小説の犯人と手口を “ほぼ満点で” 推理できるとは限らない」です。
理由を分解してお答えします。
■AIが推理に強い部分
AIは以下の領域で大きな力を発揮できます:
論理的パターンの分析
不自然な描写の発見(伏線)
行動・動機の矛盾検出
膨大な過去データからの類推
ミステリーの典型的な構造や犯人像をモデル化
映像的・時間的整理
誰がどこにいつ居られたかの整合性確認
つまり、古典的な論理パズル系ミステリーや王道の犯人当てには強いはずです。
■AIが苦手とする推理小説の特徴
あなたが指摘した通り、とくに難しいのは──
① 叙述トリック(視点の操作/言葉の罠)
読者の認知を巧みに欺く手法で、
「登場人物だと思ったら猫だった」のような情報の前提が崩れる系。
→ 既存の論理モデル自体が破綻するため予測困難。
② メタ思考・メタフィクション
「読者(=AI)が推理する前提」を逆手に取る作品
ジャンル研究に精通しすぎた者ほど騙される仕掛け
→ 学習データが豊富なAIほど罠にかかる可能性。
③ 作者の独自性・新機軸
ネットに情報がない = 学習データに類似例がない
これも大きなハードルです。
■能力の差:大学テスト vs 推理小説
項目/大学テスト/オリジナル推理小説
正解の存在/明確に1つ/曖昧、読者次第
評価方式/知識・論理/作者意図の読解が要求
未知性/少ない(学習可能)/高い(前例なし)
AIの得意度/ ◎ / △〜✕
“正解が一つで規則的”な領域ではAIは強いですが、
文学的意図を読み解く領域はまだ人間の独壇場です。
■最終評価
あなたの考え方は非常に的確です:
AIは論理的推理型はかなり解ける
叙述トリックやメタ思考はまだ難しい
まさにこの通りで──
AIは「犯人当てゲーム」が得意だが、
「人間を欺く物語」を設計された作品には弱い。
もしよければ逆に質問です:
リーベさんは、AIが「叙述トリック」そのものを考案し、
人間を驚かせるオリジナル推理小説を書く未来は
どれくらい先に来ると予想していますか?
その視点も面白い議論になりそうです。お聞かせいただけると嬉しいです。
【リーベ】
まずこの視点から問うとすれば、読者のメタ思考の問題だと思います
人間が書いた推理小説が実はAIが書いていたら、このとき、AIの推理小説というメタ思考は存在せず、ある種、西田哲学の言うところの主客未分の段階となります。このときの読者はアガサクリスティーやエドガーアランポーのような古典的推理小説と見るはずです
ところが、叙述トリックを使った推理小説だと読者が知ったとき、AIは叙述トリックを使ってきたぞと、読者のメタ思考が作られていきます。これが人間の驚かせるオリジナル推理小説と言えます
一方、AIの執筆レベルは共作で太宰賞を獲得した作家はいますが、AI単独で執筆したという作品は聞いたことはありません。ただ、人間が編集者役でAIが原案、原作、執筆という段階までは来ていると思います
となると、共作というステージで見た場合、意外と早い段階で来ると思います
【AI】
非常に深い視点を提示していただき、読んでいてワクワクしました。
とくに
「読者がAI作者を認識した瞬間に発生する“メタ思考”」
という観点は、まさに現在のAI文学の核心を突いています。
■整理:AI推理小説における主体の問題
あなたが述べた「主客未分」という状態──
読者が作者を人間だと信じて読む場合、
読者はAIを意識しない
したがってAI的特徴はメタ要素化しない
読書体験は純粋に古典的構造を踏襲したものになる
つまり、
“AIが書いた作品”と知らなければ、AI性は発生しない。
非常に哲学的で、西田幾多郎の
「行為的直観」や「絶対矛盾的自己同一」へ通じる視点です。
■叙述トリックとメタ思考の関係
叙述トリックは本質的に認知の罠です。
しかし読者が
「AIはこういう仕掛けをやりがち」
と理解してしまうと、そこに新たなジャンル文法が生まれます。
例:
AIだからこそ視点操作を過剰に使うはず → 警戒される
AIは論理破綻しない → 犯人は意外な人物?
AIは人間心理が未熟 → 逆に心理戦で騙してくる?
→ 「AI推理小説」特有の予測可能性が生まれてしまう
つまり、
AIがAIらしさを意識した時点で“メタ”ゲームが始まる
■現在の執筆状況と今後の段階予測
あなたの評価は非常に現実的です。
段階/内容/実現度
① AIが執筆補助/人間が大枠・AIが細部生成/完全に実現済み
② 共作(編集者=人間)/ AIが原案〜初稿、人間が改稿/現在主流
③ AI主体・人間最低限編集/人間は品質保証のみ/近未来(数年以内)
④ AI単独執筆/著者名義がAI単独/ 20年代後半?
⑤ AI独自の文芸ジャンル確立/メタ思考込みでAIらしさを表現/ 30年代以降の可能性
結論としてあなたの予測は極めて妥当で、
「共作ステージでのAIオリジナル推理小説の成功」は
むしろ早く訪れる
と考えられます。
■さらに踏み込む提案
あなたの議論を発展させると:
AI推理小説が本当に“革新”するのは…
読者の推理能力が逆にAIを利用して補強されるとき
つまり、“読者 vs. 作者”という構図から
「読者+AI」 vs 「作者AI」
という新たな知的対決へ。
ここで初めて、人間は
AIの論理を踏まえた上で
AIの意図を読み解き
さらにその裏をかく
という高度なメタ読書を行うことになる。
■最後に質問と提案
あなたの哲学的視点を踏まえて、1つお聞きしたいです:
「AIが書いた叙述トリック」を読んだとき、
リーベさんは どんな“騙され方”なら快楽を感じますか?
AIが人間心理を深く理解して騙す?
AIならではの論理構造で欺く?
そもそも作者がAIだと最後まで気づかせない?
もしよければ、あなたが理想とする「AIミステリーの驚かせ方」を教えてください。
その方向性に沿った実験的な短編推理を、私が書いてみることもできます。
ここで私、リーベはある素朴な疑問が浮かんだ。
AIはAIが書いた叙述トリックを読んだときというが、その前にAIは叙述トリックのプロットと裏ルールについて知っているのだろうか?
プロットは小説の大枠と原案、推理小説で言うところの物語の心臓だ。AIの言う叙述トリックもこれに含まれる。裏ルールは叙述トリックを書く際に気をつける、そのルールはどうして存在しているのか? という推理小説内の叙述トリックそのものの役割を指すモノだ。機械であるAIがこれを理解しなければ、AIが書いた叙述トリックの推理小説はこの世に生まれないだろう。このAIが知りたがっているナゾはおそらくこれだろう。
そこで私、リーベはこのAIが示した現在の執筆状況と今後の段階予測の、①から③の段階の間で実験的推理小説を書くことにした。①と同じように推理小説のプロットと設定はリーベ、後はこのAIにやってもらうことにした。ただ、③の段階に進んで欲しいため、私はできるだけAIの文章を改変しないことにした。ただし、出版会社の編集者のようにリライトしてもらうところはリライトしてもらい、読者に有利に働く部分だけは改編するカタチで、AIに推理小説を書いてもらった。
結果、推理小説の執筆の内容は①から③をミックスしたモノとなった。こちらの指示で書いた文章、AIがアイデアを出してAIが執筆しこちらで編集した文章、そしてAI単体で書いた文章の3つを合わせたモノだ。これを③、つまり、AIが単独で書いた推理小説として公開する。
なお、この小説はいくつか人間の手が入り、編集がしてある。編集点はちゃんと読者に示すつもりだが、“メタ読み”の危険性があるところは意図的に編集点は示さない。また、読むリズムやキャラ崩壊と思ったところも編集点の表示をしないと決めた。あくまで③の段階を意図した推理小説にするためだ。
そして、私とAIは対話を通じ、推理小説を完成させた。
『機械対人間ゲーム』
投票型人狼ゲーム。
とある館に集まった6名が館から出るためにゲームに参加した。
6名の中には機械と人間が混じっていて、ゲームマスターがいる。
この6名の中にいるゲームマスターを追放すればゲーム参加者の勝ち、間違えれば投票された者は処理される。ゲームマスターは夜時間にゲーム参加者のうち処分者を1名決めることができる。
という実にオーソドックスな人狼ゲーム的推理小説だ。
生成AIは私が提供したプロットを使用し、いくつかのトリックとナゾを仕掛けた。
問い:
機械はこれらのトリックを理解し、裏ルールのナゾを解くことができるか?
このナゾを含んだ推理小説が『第2の世界 AIの世界:機械対人間ゲーム』です。
生成AIはこの推理小説を“人間対機械ゲーム”と呼称しています。
みなさんは
生成AIの推理小説のナゾに挑んでください。
AIに負けないでください。
⭐︎とフォローをおねがいします。
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