異常な状態に置かれ、異常になることが至善であると告げられた主人公の葛藤に心が打たれます。音や映像ないし視界の捉え方の揺らぎが滑らかで、一読でもすんなりと主人公の恐怖を味わうことが出来ます。そしてよく読み込んだ時に恐怖を味わうのは、読み手です。とても面白い作品をありがとうございました。
現在読み専。 ぶらっと小説を読んだり応援したり評価したりレビューしたりします。 2026年に投稿出来る作品を作るのが目標
大好物のディストピアSF!価値とは、何にとっての?誰にとっての?結論は、読者に委ねられている。記憶が混ざるところの描写が秀逸ですね。全体的に乾いた文体で綴られており、それが世界観を引き立て…続きを読む
もし国が「価値ある人間」を選別し、それ以外を排除する世界があったら?主人公は突然拘束され、「価値ある男性」の液状化された脳を点滴で投与される。自我が少しずつ消え、他人の記憶が流れ込む恐怖。「家族の…続きを読む
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(366文字)
普遍的なテーマを鮮烈な筆致で描いた佳作。作者の想いがヒシヒシと伝わってくるディストピアストーリーです。登場人物の価値。翻って読者自身の価値をも問いかけてくる、重いけれど心に残る物語でした。…続きを読む
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