第40話 忍の敗北
太陽が真上にあり、時計でも12時を指しているのを確認したあたしは、早朝に学園都市を出て、東ダンジョンを目指していた。
その途中、草原を駆け回っているアカツキとシズクを『歩きながら』見て和んでいる最中だ。
なぜ?歩いてるかって、馬車に乗って行くんじゃなかったのかって······。
乗れなかったんだよ!
まさか予約が必要とか、思わねぇよ!!
都会の常識とか知らねぇよ!!!
……そんなわけで歩いている最中だ。
2時間待てば、次の馬車に乗れたが、早起きまであそこで待つのが、アホらしくてな。
だったら、走った方が早いと思って、さっき時計を確認するまで走っていたんだ。
まさか6時間も走ってたとは、思わなかったがな。
しかも、そこまで疲れてないときたもんだ、ホント吸血姫の身体はスゲェよな。
それについて来れる他3人····いや途中アカツキは『疲れた~』って言って、抱き抱えたから2人か、クマだから長距離は走れなかったんだな。
その分、ナガレとシズクはオオカミだから最後までついてきた。
そんなわけで、アカツキとシズクを見ながら和んでたって訳だ!
「シノブ!我は腹が減ったぞ!!」
「そうだな、昼だし飯にすっか。おーい2人とも飯にすっぞーー!」
「くぅーん」
「アオーーーン」
学園都市で買い込んだ飯を【収納】から出して、食べることにした。
食べ終わったあたしは、まだ食べている3人をそのままに、磁石みたいな魔道具で方向を確認してみたところ、数キロ先に見える森を指していた。
ナタリーから聞いた話だと、ダンジョンは森の中の洞窟にあるらしいから、目の前の森が目的のようだ。
目的地を確認したあたしは、3人が満足するまで、横になって待つことにした。
ゆさゆさ
「んが····」
「起きたか」
どうやら寝ていたらしい。
「寝ちまってたか····食い終わったのか?」
「ああ、だいぶ前にな」
足元にはアカツキとシズクが眠っていた。
どうやら結構、寝ていたみたいだ。
時計を確認してみると、3時を指していた。
ナガレと話していると寝ていた2人も起きてきたことで、森まで走ることにした。
森の入り口に着くと『東ダンジョン』と書かれた看板があった。
「ナタリーが着けばわかるって言ってたのはこの事だな」
「ああ、向こうから数人の人間の匂いがするな」
ナガレは看板が示す方へ指差していた。
あたしも【万能探知】を使い確認してみた。
「確かに、5人いるな。距離は五百ってとこだな。よし、行くぞ」
しばらく歩くと、洞窟とその前に座っていた5人の男たちがいた。
「おや?今日は馬車がくるのが早いですね」
「そうみたいだな。嬢ちゃんたち、あんたら冒険者だよな、他の奴らはどうした?」
1人の男が立ち上がり、話しかけてきた。
「あぁ?あたしらだけだが、それがなんだ?」
「なんだって、他に馬車に乗ってきた奴らだよ。一緒に来なかったのか?」
男たちの横を通りながら答えた。
「あたしらは、馬車には乗ってねぇよ!」
後ろで色々と喚いていたが、連中を無視してダンジョンに入っていった。
中に入ってみると、そこは草原エリアだった。
【万能探知】を使い、次の階層も見つけ、一直線に向かった。
ナタリーの言ってた通り10層までは、学園都市と変わらなかったが、ボスはゴブリンキングとその配下が総勢30匹ほどだった。
ゴブリン程度はアカツキとシズクの足元にも及ばず、2人の【咆哮】で動きを止めて、瞬殺だった。
出てきた宝箱も銀色で中身はポーションだった。
11層は森エリアだった。
【万能探知】で階段を見つけたついでに、どんな奴が居るかを見てみたら、背筋に嫌な汗が流れた。
ここからは虫と植物の魔物で構成されているみたいだ。
正直、あたしは虫が苦手だ、なるべく虫とは当たらずに進むことにした。
探知でわかったことは、ここに出てくる虫は最初だからか、名前からして芋虫とアリだった。
植物の魔物は食虫植物の見た目の奴がほとんどだった。
階層を降りるにつれて、植物の魔物はそこまで変わらなかったが、15層で奴が出てきた。
奴を探知してから遠回りをして歩いていたが、走らずに歩いていたのが悪いのだが、すごいスピードで奴は追いかけてきていた。
気づいた時には、手遅れであたしらの前に姿を現した!
「ぎゃああああーー」
ナガレ達にはあたしが虫が苦手なのを教えていたため、出てきたら任せるように頼んでたことで、率先して戦おうとはしてくれていた。
だが今回あたしの叫びが予想以上に大きく、今までに聞いたことの無い声だったこともあり、3人は驚いてしまい出遅れてしまった。
察して欲しい、だってソイツは『G』だったのだから。
しかも2匹だ!!
片方は前方に出てきたお陰で、ナガレが【シャドーバインド】で押さえてから、手に入れたククリナイフで倒してくれたが、後方から出てきたGの体当たりを受けてしまい、吹っ飛ばされ木に叩きつけられてしまった。
って言ってもダメージは皆無だった。
即座にアカツキとシズクが倒してくれたお陰でそれ以上の被害はなかった。
だが精神的なダメージを、あたしが受けたことで、早々にこのエリアを出ることにした。
ナガレに背負われ、次の階層との階段で休憩することになった。
「大丈夫かシノブ!」
「すまん」
疲労困憊したあたしはそれしか言うことが出来なかった。
「くぅーん」
「キュ~ン、キュイーン」
アカツキとシズクが心配そうに寄ってきてくれたことで、もふもふ成分を補充することができた。
そのお陰で多少、回復することができた。
2人が居なかったら、あたしの旅はここで終わってたな。
時計を確認してみると、夜の8時を回っていた。
あたしがまともに動けないこともあって、今日はここで休むことにした。
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