街の中心を川の流れる陶都を離れ、はや数十年。二十歳まで過ごしたこの街を鮮明に思い出させてくれました。小学校の同級生の家は皆製陶に携わっており、小中学校共に学校に窯がある環境は離れるまで特殊とは思いもしなかった。友人のお母さんが細い筆で茶碗に絵付けをするのを楽しく見ていた幼少期。ちょっと不思議な、この優しい物語が心にスッと入ってくると同時に目に浮かぶ風景。これはまさに自分の原風景です。良い作品に出会えました。ありがとうございました。