妖精が笑い、エルフが恋に憧れ、日記はどこか可笑しい。なのに、読み進めるほどに「笑っていいのか」が揺らぎ続ける。軽さと不穏が同じ画面に存在して、気づいた時には、足元の森が腐り始めています。そして、いちばん残るのは“喪失の描き方”。泣かせに来ない。叫ばない。ただ、溶けていくものを見つめる視線だけが淡々と置かれていて、その静けさが逆に刺さります。美しい文章で始まり、綺麗に終わらない。「喜劇」と言い切ったまま、心の温度だけを確実に変えていく。