人間の身体の中には何が詰まっているのか
- ★★★ Excellent!!!
勿論骨や内臓はあるだろうし、もしかしたら生物学的なものとは別の何かがあるかもしれない。実際に開いてみれば分かるけれども、まだ開けて見たことがないから分からない。
そんな何とも言い難い疑問を抱きながら、ゾンビの溢れるようになった世界を生きている少女の話です。
分からないこその不安や知りたいという欲求、期待。それと肉体しか残っていない母への想い。
そういったものがどろどろに溶け合った結果、少女は最後の行動をしたのかなと思います。そしてそれで得られたのは当たり前の、けれど恐らく少女が期待していなかった事実だけ。
ずんとした虚無感にも似た読後感が好きな方、おすすめです。