病で亡くなったものの女神によって異世界へ転生することになった主人公。よくあるパターンだね。転生時に強制的に女性にされることになり、女神はさらに特典としてチート級のパートナーを選ばせてくれるという。うんうん、まあまあ見かけるパターンだね。そこで主人公がパートナーに選んだのは圧倒的に最強なステータスを持つ巨デブ種付けおじさんだった……これはあまり見たことがないパターンだな……。
転生した世界は鬼畜系のエロゲーが元ネタとなっていて、お約束のステータスを確認しても出てくるのはエロ項目ばかり。味方にバフ効果を与えるためにはエロいことをしなければならず、当然主人公も種付けおじさんとHしなければならないという地獄のような環境……なのだが本作の主人公はあっさりと割り切って軽い感じで種付けおじさんとエロいことを致してしまう。前世で結婚もして子供もいただけに割り切りが強い……!
この割り切り感が強いために、バフと称して様々なエロいことをバンバンやってるのだがそこまでエロい空気にはならず、むしろバカバカしさの方が強く感じられるという独自の味を醸し出している。
それでいて、本人は割り切っているつもりでいながらも、見た目はともかく人間性はだいぶマトモな種付けおじさんにどんどんと情が湧いてしまって、ギャグっぽい空気の中でもしっかりTSものの醍醐味を抑えているのが大変良い。
また途中から敵の意外な正体が判明したりして、一見酷すぎる設定ながらも決して出オチで終わらせず様々な展開で読者を楽しませようとする、異色すぎるTS転生ファンタジーだ。
(新作紹介「カクヨム金のたまご」/文=柿崎憲)