魔法少女

クロンボ

第1話 出会い

君の願いを叶えてあげる

その契約は、霊を祓うことそれでも契約する?


私は病院のベッドの上で寝ていた。そして何度も入院、退院を繰り返していた。交通事故の影響で記憶を失い頭や体に色々後遺症が残り足が上手く動かせないでいた。そしてそのせいで感染症も引き起こしていた。私の命はそんなに長くなかったがこの時はそんなことは知らなかった。


、、、、、わたし、、いつまで生きれるんだろう?、、、、

そう呟き私は毎日病院のベットの上に横になっていた。体には沢山の点滴がつけられ痛々しい姿で横になっていた。


「あぁーあ、いつ退院出来るんだろー私?」


ベッドの上で寝転がりながらそういった。すると横に座っていた母が答えた。

「良くなったらね」


私はその母の言葉を聞いて寝転がりながら顔を母の方へ向けた。

「それはいつなの?」


すると母は私の頭を触りながら答えた。

「もう少し先かな?ちゃんと実加がご飯を食べて栄養つけてちゃんと寝てればよくなるからね!」


その言葉に私は不安そうに母に向かって答えた。

「本当に?」


「本当よ!私が嘘ついたことないでしょ?」


「そうだよねお母さん、、、もう少しだよね?」


「そうよ、だから毎日ちゃんと頑張って元気だしてね!」


そう言われ私は天井を見た。

頑張る、、、生きる、、、私はなんのために、、私なんのために生まれてきたんだろう、、もっとみんなと同じように生活したい、友達ともっと遊びたい、ショッピングも、お話も、、、彼氏作って笑ったり泣いたり青春を、、、、私は、、、でもこんな状態で何も出来ずに16歳、、、、

このまま何もないまま私の人生はこのベットで最後を向かえるの?、、、、、

やだ、、生きたい、、、助けて、、、どうか、、、

そう思うと涙が自然とこぼれてきた。

そしてどこからか不思議な声が聞こえた。


………君の願いを叶えてあげようか?………

私その声に向かって答えた。


……誰なの……



「今日はいい天気ね」


そう言っていつもどうり母は私の病室に来て窓を開けた。

私は顔を横に向けてその窓から、桜の木をながめるのが毎日の日課になっていた、まだ桜は、蕾もついてなく寒い冬に備えて枝だけの裸の木だった。

「もー寒いから窓閉めてよ、それより今日検査で良かったらこの体に付いている点滴外してくれるんだよね?やっとこの点滴ともおさらばだよー」


そう言って実加は母の顔を見て笑った

「そうね、お医者さんがいいって言ったらね笑」


そう言って母は実加の顔を触りながら言った

そして私は母が持ってきた紙袋が気になった。

「ところでそのお母さんの横にある袋はなに?もしかしてお菓子!わぁー嬉しいなぁー」


すると母は紙袋を渡してきた。

「これはお菓子じゃないんよ、これはパパからの実加へのプレゼントだって」


そう言って私は母から、紙袋を渡されまだ麻痺してない手で紙袋を開けた。

中には黒い不思議な猫が入れてあった、見た目はクロネコだけどしっぽが3本そしてそのしっぽの先は刃物のような形のものが付いていた。

「これは猫だよね?」


私は不思議な顔をして母に尋ねた。

「お母さんこれは何?」


すると母は人形を見て答えた。

「これは昨日パパが夜仕事帰りに買ってきて実加にプレゼントだって、私も今初めて見たわ」


そう言われ私はそのクロネコの人形を手に取りその人形をベットの隣の隣にある机の上に飾ることにした。

「ねぇーお母さんパパが買ってきたって言ったけど、こんな不思議な人形どこで売ってたの?」


私は人形を横目で見ながら尋ねた。

「さぁー、酒飲んで酔っ払って帰ってきたから多分本人も覚えてないでしょ?」


そう言って母は笑って花瓶を手に取り花を変えに病室から出ていったい。

私は母がいなくなり部屋でその人形と私一人だけになって不思議そうに私はその人形を眺めた。

するとその人形一瞬しっぽが動いたように見え私は思わず目を擦りもう一度その人形を眺めた。

「いや、気のせいだよね、、まさか人形が動くなんて私ちょっと体調悪いのかなぁー」


そう言って私は机に手を伸ばして人形を持ち上げた。

するとさっきまでしっぽが立ってきたような、、、、でも今は下がっている、、、あれ?なんで?私体調悪いのかな、、、

そう思いながら人形を色々な角度から眺めて見ていると花瓶の水替えに母が戻ってきた。

「ねぇーお母さんこの人形さっきまでしっぽ立ってたよね?」


そう聞くと母は

「さぁーどうだったか私も覚えてないわ」


そういって机の上に花瓶を置いた。

私は、しっぽが立っていたのに下がっているのが不思議に思い、でも私の見間違いだと思いその人形を机の上に戻した。

そしてお母さんと話をしているといきなり病室のドアが空いた。

「倉田さんそろそろ検査行きましょうか」


そう言ってナースの人が入ってきた。

私は母に助けて貰いながら車椅子に乗りお母さんに押されて検査室に向かった。

私が検査受けている間お母さんは病院の先生と話をしてきた。


「私の口から申し上げにくいのですが倉田さんこうやって今は元気ですが、倉田さんの命は、せいぜい持って1ヶ月かと思われます、もちろん1ヶ月と言っても1ヶ月で亡くなるわけではありません。なのでこれからも治療に専念していればきっと良くなると思いますがあまり希望を持たない方がいいかと、、、」


それを聞いた母はその場にしゃがみこみ涙を流して先生に涙ながらいった、、、

「先生、、何とかなりませんか?娘はまだ16歳で、、、16歳で、、そんな、、、先生、、、」


母は涙声で医者に向かって言った

「お母さんも諦めずに頑張りましょう私たちも諦めずに頑張りますので希望を持ちましょう、お母さんがそれでは娘さんはいい顔しませんよ、」


そう言われ母は気持ちを落ち着かせてゆっくり検査している実加のもとに向かって歩いていった。

「ねぇーお母さん検査の結果っていつでるのかなぁー?それとこの点滴今日はずれるのかな?」


そう言われ母は実加に心配な顔見せられないと思い笑顔を作って答えた。

「そうねー結果がでてからになると思うからもう少し先なのかな?」


そう言って母は車椅子を押しながら実加に向かってそういった。

「なぁーんだ、せっかく今日はずれると思ったのになぁー、」


そう言って実加は車椅子に押されながら本を読み始めた。

母は今日医者から言われたことを実加に言うべきか悩んでいた、しかしそんなことは言うことは出来ずに時間だけが流れていった。



ある日私は強烈な痛みで目を覚ました。

「痛い、痛い、助けて体の骨が痛いよ、、体が壊れそうだよ、、」


そう言って実加は痛みと毎日たたかっていた。

「倉田さんもう痛くないからね、」


そう言われ私はモルヒネを打たれて意識が朦朧としていた。

、、、私このまま死んでしまうのかな、、意識朦朧するなか、私はおもった。

そしてだんだん意識は亡くなったいった、、


「君の願いはなんだい?」


その声で私は目を覚ました。するとそこは病院ではなく白い空間の部屋にいた。

その部屋にはパパからプレゼントで貰ったクロネコの人形が目の前で喋っている、、、私はそれを見て夢を見ていると思い自分で自分の頬を叩いた。そして痛かった。

「夢ではなく現実?」


するとクロネコが喋り始めた

「、、夢だと思ったのかい?ここは生と死の狭間と言った方がいいのかな?」


そう言われ私は恐る恐るクロネコに向かって聞いた。

「私は死んだの?」


するとクロネコは、

「結果的には死ぬよ、どうする?生きるか死ぬか選んで?」


そう言われ私は言葉を失った。

「生きたいなら、このまま僕と一緒に霊を祓いに行こう!もし死にたいならこのまままっすぐ歩けば終わり、さてどうする?」


私は戸惑った、いきなりそんな事言われて、、、、

「えーと、霊を祓うとは?私僧侶にでもなるの?霊媒師?私そんな能力ないよ?」


「契約さえすれば説明するよ、契約しなきゃ君死ぬよ?僕はどっちでもいいんだけど?」


そう言われ、私は生きたいと思いわけも分からないままクロネコと契約した。

「んじゃー契約成立だね!」


そう言ってクロネコは不思議な笑みを浮かべて話した。

そして私の首に黒いネックレスが付けられた。

私はそのネックレスを触り外そうとしたが外れなかった。しかしネックレスよりもクロネコが気になり話続けた。

「ところでクロネコさん、名前とかあるのかな?」


「名前なんてないよ僕はNO3だよ!」


「NO3ってことは他にも同じような人形を持った人がいるってことだよね?」


「、、、まぁー、そうなるよね、、、」


クロネコは、それ以上のことは言わなかった。、

私はこの人形と契約したことにより大きく私の人生はかわり、間違った道に向かって行くことを私はその時は知ることもなかった。

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