空気の作り方がとても上手くて、冒頭の数行だけで世界が静かに立ち上がる作品でした。派手な説明ではなく、“その場に流れる匂いと温度”で読者を連れていくタイプです。キャラ同士の掛け合いにも、軽さの奥に“死地を共にする者の体温”があり、自然と関係性が浮かびます。セリフよりも間や呼吸で伝える描き方が素敵でした。読み終わったあと、「あ、この世界、好きだな」と自然に思え、静かで、熱があって、芯の強い物語。おすすめです。