「価値=価格」と信じる完璧主義の令嬢・ディアと、深夜のカップ麺を至高とする青年の対照的な二人を描く。高級外車の故障を機に出会った二人が、高級フレンチから庶民的なラーメン店「日高屋」へとはしごする展開が秀逸だ。暴力的な旨味と脂に令嬢のプライドが崩壊し、無機質な「価格」の世界から情動的な「満足感」へと足を踏み出す心理描写が、コミカルかつ鮮烈に綴られている。
格差カップルの交流や、高飛車なキャラクターが庶民の味に「陥落」する様を楽しみたい読者。ジャンク飯の抗いがたい魅力に共感できる層におすすめできる。