二速の1000RPM「目指せ220マイル」

『部長〜。おはよござます』

「んぁ...あ...もう8時か...おはよ」

『部長、どうして寝袋で?』

 ...言えないなぁ...XJ220と962CRをキメラ化させてたなんて。

『ガレージなんか臭くないですか?あとシンナーの匂いとか...』

「いや?特に何もしてないよ?」

 塗装とかこだわった結果、試しにプラモデル組み立てたなんて言えない...。私...どのくらい寝てたんだろう...。

『なんですか...このシートに包まれた部屋と、その中にある...骨組みは』

「あっみないd...」

『まさか!』

「うぅ...ごめんなさい...」

『...そんなしょんぼりとしないでください...』

『それに...完璧じゃないですか」

 ...え?

『このホネと、ストレスメンバーで付けられたこのV12ターボエンジン』

「...」

「ありがとう」


 エンジンはV12ツインターボ、排気量は4Lでおよそ600馬力。ジャガー製モーターと組み合わせると合計1000馬力になるけど、LMHの規定でモーターは時速190キロからしか80馬力しか出せない。それに、時速270キロを超えると完全に停止する。


「シャシーはオレカ製...LMDhではないけども、オレカは快く受けてくれた」

『オレカ...空力効率が良いやつですね?』

「うん...」


 そしてボディカウルの設計は「イアン・カラム」氏。「ジャガー・Fタイプ」や「フォード・RS200」、「日産・R390」などを造り上げたデザイナーが、私たち学生チームに協力するなんて...。


 デザインはグループCとLMPの中間の見た目。1度デザインを見たけど、とても美しいモノとなった。私たちにスポンサーはほとんどついてない。だから、スポンサーデカールも無い。そのおかげで余計ラインが強調され、芸術品のような美しさを放っている。


 カウルは明日に届くはず。そして名前は...。


「SXJ220-GROUP "C" -CONCEPT-」


『意味がある...ちゃんと...』

「うん...考えてきた」

『通用するのかな...学生の私達が、企業に』


「やってみせる...絶対に」

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化石を彫り、夢駆ける少女たち @sor1111

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