　6月2日（月）

　みんな自然に帰宅する準備をしてる。

　でも私は何をしたら良いのかすぐ迷う。

　彼を追うのか、図書館に行くのか、帰宅するのか。

　選択肢があるのに、選べない。

　彼といえば、今日なんとなく気づいた。

　あの場所で私は、きっと浮いていると思う。

　なんというか、道行く人々はみな個性的というか、彼の雰囲気や持ち物もそうだけど、あの独特なファッションを、きっと『お洒落』というのだろう。

　私なんて、お母さんが居なきゃ、何を着たら良いのかさえ分からない。

　いま一人暮らしで一番困るのは、洋服を選ぶ時なのだから。

　私はまるで、あの本に出てくる「マダニ」のようだ。

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