独白②

「いい人」という言葉がある。多くの人がそれを目指して生きているのでは無いだろうか。例に漏れず、自分も生まれてこの方そうである。

幼い頃から「いい人」や「親切な人」である事が大事だと思い、そうであろうとした。

ただ、大人になって行くにつれて、その思いは強迫観念となり自分を苦しめていくようになった。

本当の自分は現代のルッキズムに縛られているし、差別的な考えを持っている。

美しい人やそうでない人、例えば自分の顔は大嫌いだし、他人に関しても美人か否かを考えてしまう。口に出すことも、態度に出すことも無いが、ずっと心の奥にはその考えがこびり付いている。

障害者の人達に関してもそうである。自分も精神障害者手帳を持っているが、そのことへの劣等感、心の奥にある他の障害者への差別的意識。

きっと自分は真っ当な人間ではないし、こんな考えを持っているのだから地獄に落ちるのだろう。

それでも、「いい人」であろうとする強迫観念は消えない。

その乖離が自分を苦しめる。

これは罰なのだろうか。そんな風に思うほど息苦しい毎日。

自分は決していい人なんかじゃない。

でも、他人からは「いい人」であると評価される。(そうなるように振舞っているのだから当たり前だが。)

その気持ちの裏表が自分を責めたてるのだ。

昔担当して下さっていた精神科の先生いわく、「30代になったら平坦な道を歩けるようになるよ。」と言われた。

本当にそうなのかは分からないが、あと数年で30代。いつかこの気持ちや乖離、全てを引っ括めて自分だと認め、生きていける日が来ることを切に願っている。

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独白 らんぐどしゃ @ramanama20

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