俺はピュアかわいいヒロインとどこまでも行く~片想いしていたキラキラ一軍女子は振り向いてくれませんよね!~
不管稜太
第1話 スタートの前奏
運命とはなんなのだろう。
もう既に決められているものなのかもしれないし、求めて抗って掴み取るものなのかもしれない。
俺の運命は――
〇
もう一度、鏡を確認する。
バチッと決まった濃紺のスーツ、ナチュラルにセットした目にかからないくらいの黒髪マッシュ、何度も練習した爽やかな笑顔。
「やべぇ、俺イケメンすぎる」
思わず声が漏れる。
でも、こんな歯に浮くようなセリフを言ってもいいのだ。
なにせ俺は今日から大学生。地獄のようだった受験戦争から解放され、人生の夏休みであり華の大学生活のはじまりなのである。
また、地方から上京して一人暮らしを始めたため、完全無欠なる自由がやって来たのだ。
家族がいないので、家でも好きなことを言い放題で――
――トンっ
後方から、衝撃音。
「――キモすぎるっ!」
振りかえるとそこには、プラスチック製のコップを落とし、世界の終わりみたいな顔をした妹がいた。
「我が妹よ、違うんだこれは」
「なんにも違わないでしょ! 現行犯だよ! 懲役四年だよ!」
「俺の大学時代が獄中で終わってしまう!」
今日は入学式で、家族がうちに泊まっているのだった。忘れてた。
「いや……でも、高校の頃に比べれば、多少はかっこよかったりしませんかね?」
「自分で自分にかっこいいって言っちゃうおにぃの存在自体がもう無理だから!」
「グサッ!」
その通りなんだけど、酷い言われようだ!
「い、いや、たしかに高校の頃と比べたら、ちょこっとくらいはかっこよくなったけどさ……」
ほのかに顔を赤らめて、上目遣いで言った。
俺の妹、ツンデレすぎる。
「じゃあ俺と結婚するか?」
「は!? 何言っちゃってんの!? 勘違いすんなばかおにぃ!」
駆け寄ってきて、ポカポカと俺の胸を叩く妹。
「そんな嫉妬するなよ、俺がこれから大学生で一人暮らしでかっこよくて、爆モテ人生を歩むことになるからって」
すると、妹は顔を真っ赤にして、
「し、死ねぇぇぇーーー!!」
顔にグーがとんできた。
すみません、調子に乗り過ぎました。
――――――――――――――――――――――――――――――
カクヨムコン頑張ります!!
気軽にご期待ください!!
不管稜太
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