第3章 年末年始だって甘い、甘衣さん
第15話 甘衣さんをデートに誘うと、甘い
修学旅行も幕を閉じ、学校も冬休み前のラストスパートたる雰囲気を
休み時間の話題は、冬休みの遊ぶ予定やら何やらで持ちきりだ。当然、僕だって例に漏れない。
僕は修学旅行を通して仲を深めた男子三人に囲まれて、授業間のわずかな時間を過ごしていた。場所は、教室前の廊下。話題は『
彼女が僕にばかり構ってくれるもんだから忘れがちだけど、
「おい、
最近金髪に染めたの早坂がそう言うので、僕は指定された人物が『
教室の最も後方、その左側に
いつもと違うのは、
おちゃらけたところもあるけど、そういうところは真面目なのが人気者たる理由なのかもしれない。
だが、
彼女の隣にある僕の席側を見る形で、机に左頬を預けている
ふつう、居眠りってのは変な顔でするものじゃないのだろうか。一分の隙もないその姿に魅了された男子の何人が、その思いを伝えて
「ふつう、居眠りってのは変な顔でするもんじゃないのかな……?」
山田が、メガネをいじりながら言う。奇遇だね、山田。僕もついさっきそう思ったんだ。河北も『うんうん』と同調している。それを見ていた早坂が『あ、そうだ!』と声をあげた。
「年末の話なんだけどな? 俺たち三人と女子三人で、駅前の映画行く予定なんだ。
もう、既にいたずらをされる画しか浮かばねぇ。同じ状況たる修学旅行のバスで、存分にドキドキさせられたのだ。僕は耐えられるのだろうか。
でも……シンプルに楽しそう。大人数で遊びに行くことなんてなかなか無いし、良い機会だ。
「うん、僕も行きたい。
「お! 了解。楽しみにしとくぜ……ってもうチャイム鳴ってる! 急げっ!」
僕らは『やべぇ!』『教科書借りに行かなきゃ!』『もう間に合わないだろ!』と、各々好きに喋ってから取り急ぎ教室へ戻った。
***
「よしっ……!」
教室の後列、その左側。
それも最も後ろの
その特等席で寝たフリして、廊下からの声に耳を澄ませていた
そこへ近づいてくる一つの影が、彼女を呼ぶ。
「
その声に反応し、突っ伏した顔を机から引き起こすには、
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