第05話 てふぇちは、甘い
長いバス移動を終えた僕らは、ついに念願のスキー場へ到着した。その道中、
ついでに、その途中もずっと僕の心臓の鼓動は収まらないし、
―――スキー場はやけに広かった。雪のピークは過ぎたらしいが、未だにちらちらと空からわたあめみたいな粉雪が。
そのせいもあって一面真っ白なその世界は、僕の視界をとことん彩った。
ちょっとだけ、この美しい風景を独り占めしてみたくなった僕は今、休憩時間を利用して人の目につかないある場所にいる。
屋根に積もる雪、屋外にある時計を覆い隠すほどの積雪……いつもとは違う風景は、僕の心を自然とくすぐった。
「なにしてんの、なーるせ」
「うわっ!」
後ろから突然に目を覆い隠されてしまった。
この声は、間違いなく
氷点下の気温は、無敵そうに見える
「だーれだっ」
予想通り『わたしは誰でしょう』クイズが始まった。
二回聞いた声、それから『こんなことを僕にしてくるのは
試しに、ちょっとだけ……
「ん……ええと、同じクラスの東さん……?」
「……え」
僕の頭に『やべぇ』という言葉が浮かんできた。
「ま、間違えたっ。
「……ん、せーかい」
僕の目を隠していたその白い手が引き上げられ、視界が明瞭になった。振り返ってみると、正解のアナウンス通りにそこにいたのは甘衣さんだ。
「ご、ごめん。なんか声が似てて間違えちゃった……」
「ど、どうしたの
「……て、なの?」
「へ?」
「だって、さっき
僕を手フェチ野郎と断定する、鋭い目つきの甘衣さんは、今日も甘い。
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