第六話まで読ませていただきました。
序盤は世界観や設定の説明が多く、決して軽い読み味ではありませんが、読み進めるにつれて、この作品が単なるSFやAIものではなく、「お金」「技術」「人間性」の関係を描いた物語であることがはっきりしてきます。
特に印象的だったのは第五話と第六話です。
第五話では、アンドロイド・ミゥが起こすクレームを通して、「正しさ」や「規則」が必ずしも人間に寄り添わないこと、そしてその責任を誰が引き受けるのかという問題が、会話劇として自然に描かれていました。
カレン、舞、徹、それぞれの立場や価値観の違いが明確になり、ミゥが単なる業務用アンドロイドではなく、周囲を揺さぶる存在であることが伝わってきます。
第六話では、ミゥの外見や構造が非常に丁寧に描写され、彼女が「設定」ではなく、「その場に立つ存在」として立ち上がったように感じました。
完全に人間にはしないという徹の選択や、それによってクレームが軽減されるという描写には、技術的合理性と同時に、どこか割り切れない感情も滲んでおり、この作品が倫理や感情のグレーゾーンを丁寧に扱おうとしていることが伝わってきます。
可愛さや新奇性で押すAIものではなく、社会構造や人の都合の中で「学ばされる存在」としての人工知能を描いている点が、この作品の個性だと感じました。
今後、ミゥがどのように“人間らしさ”を獲得し、あるいは獲得できないまま進んでいくのか、とても気になります。
とあるコロニー内に存在する宅配業者の日常を描いたSF作品です。
遥か昔に政府から運送許可をもらい、ほそぼそと狭い地域の宅配業に勤しんでいた会社。
しかし、財閥の口添えが入った今、その業務は大きな変革を迎えました。
現地に向かう作業員は、人間らしさを学ばせるためにあえて不完全を目指して作成されたアンドロイド。
求められているのは、第二の人類になりえる可能性。
けれどもいまだに作業はクレームの抱き合わせであり、判断に柔軟さが足りていません。
それでも毎日から少しずつ自分を学んでいくアンドロイドは、製作者や社員が望む存在に到れるのか。
ぜひ読んでみてください。
SFファンはもちろん、「心温まる物語」を求めている方にも心からお薦めしたい作品です!
――おすすめポイント――
① 壮大な世界観
設定が非常に深く綿密に構築されており、なるほど、こんな世界になるんだなー!と違和感なく、ワクワクしながら物語の世界へ入れます。設定が深く作り込まれているにも関わらず、文章は読みやすく、スラスラと頭に入ってくるため、ストレスなく世界観を楽しめます。
② 「人とは何か」を問う繊細な描写
主人公のアンドロイド「ミゥ」が、感情、コミュニケーション、そして非言語コミュニケーションを習得し、進化していく様子が、繊細に描かれています。特に、開発者である徹とのやり取りは「人の感情とはどういうものか」「他者と心を通わせるとはどういうことか」を深く考えさせてくれます。
③ 心温まるドタバタな日常
ネタバレになってしまうので詳しくは書けませんが、他の登場人物たちもとても魅力的です!そんな彼女たちが繰り広げるドタバタな日常は読んでいて心が温まります。
この物語の世界に、もっと浸っていたいと思わせてくれる素敵な作品です。
是非読んでみてください。
宇宙を舞台にした「宅配便」という発想が、とにかくわくわくします。
本作の魅力は、銀河規模の世界観でありながら、描かれているのが「荷物を届ける」「働く」「仲間と過ごす」という、とても身近な日常である点だと思いました。
特に印象的なのが、学習型アンドロイドのミゥ。
最初は真っ白だった彼女が、仕事や人との関わりを通して、少しずつ感情や個性を身につけていく過程がとても丁寧に描かれていて、気づけば自然と応援したくなります。
SFのわくわくと、成長物語の優しさが合わさった作品です。
ミゥがどんな存在になっていくのか、最後まで見届けたくなりました。
1章まで、読んだところですが、引き続き拝読させていただきます♪