第6話『ダンジョンの奥、命を賭けた取引』
俺は久しぶりにベッドから起きられた。
「うー ひどい目に遭った...... やはり感覚は必要なものなんだな。 買い取りに十倍かかった...... とはいえ1億残ってる。 それを心の支えに頑張ろう」
俺はギルドで新しい依頼を受けに行った。
「ああカイトさま!」
目が合うとバティアさんが俺のそばに来た。
「どうしたの慌てて」
「実は厄介な緊急の依頼があって......」
「厄介な依頼?」
嫌な予感はするが、取りあえず話を聞くことにした。
「ここが、【ダンジョン】か......」
この国の首都近くの森に洞窟のようなものがある。
【ダンジョン】という場所があり、それは突然生まれるらしい。 その中はモンスターが多くうごめく異界となっている。 そこからモンスターが現れるらしい。
「ダンジョン内の【ダンジョンマスター】を倒すとモンスターの出現は止まるが、かなり危険だから、誰もやりたがらない...... 軍の派兵のために調査するのが今回の依頼か」
俺はギルドからそのダンジョンの調査を頼まれた。 誰もやり手が見つからなかったそうだ。
「正直やりたくはないが...... 報酬が5億だから...... この前の2億の損失が痛すぎて、なにかしないといてもたってもいられないからな」
暗いダンジョンへと
「空気が薄いのかと思ったら、意外にそんなこともなかった。 かつての魔法でできたものだとか、古代の技術でできたとかいわれてるらしいけど...... 内部の
前の教訓から慎重になっていた。
そして、すぐに犬ほど巨大なアリのモンスターが現れた。
「でかいな...... 大体モンスターってでかい」
俺は剣を抜くと迫ってくるアリの脚を切り裂いた。 アリはその巨大なアゴで噛もうとするが、もう一太刀でもう片方の脚を切り裂くと、アリはつんのめって地面に伏せる。 その頭に剣を突き立てた。
「よし、取りあえず戦闘経験を積んだから、前ほど恐怖心はない。 戦いかたもうまくなってる。 前の失敗も全部が無駄ってわけじゃなかったな」
そしてどんどん先へと進み、出てくるモンスターを切り伏せ売っていきながら、ダンジョン内の地図を書いていく。
「ふぅ、ここまでで1億か...... かなり稼げるな。 これはいい依頼かもしれない」
アリのモンスターしかでないが、周囲には他のモンスターの骨も落ちていた。
(モンスター同士で食い合うのか? まあ、ここまで調べればいいだろう。 一度帰り、残ったお金で新しい技能でも手にいれるか)
そのとき、ギチギチッと何かがすり合うような音がする。
「......音がする」
洞窟奥へと向かうと、奥の突き当たりに巨大な空間がある。 中は真っ暗だが何かギチギチと複数の大きな音がしていた。 俺は松明をそこにかざす。
「なっ、これ全部アリか!!」
黒いのは空間ではなく無数のアリだった。
(ここはアリの巣だったのか...... だったら、さっきのモンスターの骨はこいつらのエサ...... これで調査は十分だ。 帰ろう)
ゆっくり後退りすると、アリたちがうごめき、こちらに迫ってくる。
(気づかれた! この数じゃ、一体一体に
「オールバンク!!」
「仕方ない! 借款!!」
右手に剣を握り、左手で洞窟の壁をさわる。
「
そういいながら前へ飛び込んだ。
グサグサグサッ!!
後ろを見ると、壁から無数の刃が飛び出して、追いかけて来たアリたちが切り裂かれ貫かれて進めずにつまっている。
(
バキバキバキッ
詰まっていたアリたちが押し出されるように刃によってバラバラになっていく。
「なんだ、これは!? あれは!」
巨大なアリの顔がアリたちを押し退けてくるのがこちらに進んでくるのが見えた。
「こいつ女王アリなのか! 仲間を押しつぶしながら出てくる!!」
女王アリは刃の壁を傷を負いながらも、ただ前へと進んでくる。
「くそっ! 傷が浅すぎるのか! 止まらない!!
更に
バキッバキッバキッ!!!
それでも女王アリは構わず仲間を潰しながら前へと進んでくる。
(ダメだ! この速さだと出口まで逃げ切れない! この刃じゃ、致命傷は与えられないし、なにか決定打がないと!)
「オールバンク!!」
(並みの攻撃じゃ倒せない! ただ借款は一度使うと返すまでもう使えない! 手持ちの資金でなにか...... 武器、防具、いや...... これは、よし!)
オールバンクを使うと手に瓶が現れる。 それをいくつか地面に叩きつけると、中から液体が飛び散る。 そこらが水浸しになった。
「
地面に触れながら
だがバシャバシャ音をたて女王アリが進んでくる。
「溺れもしないか...... だけど!」
俺は出口へと走りながら後ろを振り向かず、手にもった松明を後ろになげつけ頭を抱えた。
ドゴオオオオオッ!!!
液体が爆発すると、炎を吹きだし女王アリを飲み込んでいった。
「うわああぁ!!!」
爆発の衝撃で俺は出口へと投げ出された。
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