婚約者の名前がおかしくて瀕死
@159roman
第1話
異世界転生して令嬢になったけれど、婚約者の名前がおかしくて腹筋が瀕死。
顔面国宝の美男子なのに婚約者の名前がチュパカブラで腹筋が瀕死。
物腰柔らかで性格も良くて文武両道なのに、婚約者の名前がチュパカブラで私の腹筋が瀕死。
そんな私の名前は世界観無視して、貞子。そう、あの井戸から這いずり出てくる系女子と同じ名前。
金髪銀髪の人が多い貴族の中で、両親とも似ても似つかない黒髪。
「だって、貞子だから」
10歳のとある日。本日初顔合わせとなる婚約者の名前を聞いた衝撃で、前世を思い出しました。
「いや、チュパカブラって」
背中がトゲトゲしているのかなと嫌な想像をしたけど、そんなことは全然なかった。普通にカッコイイ美少年でした。普通どころか、とてもつもなくカッコイイ美少年。
お相手の家から「ぜひに」と申し込まれたこの婚約は、もちろん政略上の婚約です。
チュパカブラ・モフォンゴ侯爵令息は、政略上の婚約者の私にも優しく接してくれます。
親友のエッティこと、イエティ・パニプリ公爵令嬢と知り合ったのもこの頃です。
おっとり系のエッティとは、出会ってすぐに愛称呼びをねだってOKしてもらいました。
だってイエティですよ、イエティ。美少女なのにイエティ。
ええ、ええ、(男じゃないんかーい!)と心の中でツッコミましたとも。
もう一人の親友ルーこと、ルーガルー・ガレット子爵令嬢と出会ったのは、エッティよりも少しあとのこと。
こちらも、(男じゃないんかーい!)と心の中でツッコミましたともさ。
そして、初対面で愛称呼びをねだって、これまたOKをもらって今日に至ります。
ルーはね、一見しっかり者に見えるけど本当はドジっ娘。そのギャップがたまらなくかわいい。お父様の相続の関係で、いずれ侯爵令嬢になる予定の子なので立ち居振る舞いがすごく優雅。うっとりしちゃう。
この世界には、名前がおかしい人がちらほらといる。UMA的な?
かくいう私も貞子。異世界ナイズされた外見だけど、貞子。
他の人たちも、両親もカタカナの名前なのに、私だけ貞子。
なんなら家名もカタカナ、それなのに……。
貞子・アシタバサンド公爵令嬢。それが私です。
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