raison d'être

アルタイル

プロローグ

『裏切りなんてつきもんだ』

この言葉が似合うようになってしまったのは成人前の事。

裏切りという苦味を味わいすぎたために人に期待しきれないのが僕という人間だ。その所為とはいわないがなにをしても中途半端で継続できたためしがない。家庭環境の所為にしてしまえば楽なのだが、僕の心が先に老いてしまったがために「仕方ない」と言い聞かせている。それが僕は間違いではなく構わないと思いつつ、年末年始の寒空の下、岸和田商店街を兄弟のような親友安月詩郎と散歩している僕たちは、ひとつの誓いを交わしたのだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る