本作は異能バトル×現代ファンタジーではありますが、しっかりと登場人物の心理を描写しており、単なる異能バトルに留まりません。さすが、恋愛もののマンガ原作や契約作品も手がけてこられた作者様です。
また、設定も「言霊」をテーマとしており、現代ファンタジーとしての作り込みも窺えます。
ごく普通の学園を舞台にしており、何気ない日常の中に少しずつ不可思議なことが積み重ねられていきます。不穏な空気と緊張感が徐々に醸成されていくような、派手な展開ではありませんが気づけば次の話を読まずにいられなくなる巧みな構成です。
特に魅力的なのは、もう一つのテーマである「願い」を言霊に落とし込みながら、登場人物の内面と密接に結びつけている点です。単なるバトルものではなく、登場人物の感情により物語が動いており、まさに大人のファンタジー小説といった趣があります。
ですが、シリアスな題材を扱いながらも重くなりすぎることはなく、文章は読みやすい一方で感情表現には鋭さがあります。
まだ連載中で、今後の展開が非常に楽しみな作品です。